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提携、販売権事業に奔走

日本新薬事業企画課長 北尾環さん
日本新薬事業企画課長 北尾環さん

 合従連衡が激しい製薬業界で他社との事業提携や共同販売をはじめ、薬剤販売ライセンスの獲得、譲渡の調整や交渉に奔走する。「お客様に良い薬を届けたい」。5人の部下の先頭に立ち、持ち前の明るさと粘りで会社の利益も左右する重要案件をまとめる。

 入社から20年近く研究開発部門で製品企画や市場調査に打ち込んだ。3年前に事業提携を推進する部署の新設が決まると、すぐに異動希望を出した。「違う仕事をやってみたい」。迷いは無かった。

 新薬が次々と世に出た1980〜90年代に比べ、2000年代は業界全体で開発が鈍化した。各社は投資がかさむ自社創薬より共同開発などの事業提携や販売権ビジネスの比重を高めた。新天地で待っていたのは、国内外の各社とのタフな折衝や条件交渉。責任は大きいが、「利益に直結するのでやりがいがある」とプレッシャーを楽しむ。

 医薬品市場が急拡大する中国など新興国や韓国での販売権事業に最も力を注いでいる。毎日のように各国担当者と電話会議を重ね、ライセンス料や薬剤の供給条件などを詰める。「慣習の違いに苦労するが、信頼関係がないと交渉はうまくいかない。相手の気持ちを考えつつ、落としどころを探る駆け引きが面白い」

 入社したのは男女雇用機会均等法の施行2年目。「女性だからと言われないよう、がむしゃらに働いた」と振り返る。出産で退職も考えたが、「やれるとこまでやろう」と決意。娘2人とも産後8週で職場復帰した。毎晩7時半には帰宅して娘と夕食を囲み、残った仕事は自宅で片付ける。母と企業人の2足のわらじだが、「夫と親のバックアップ、それに娘の励ましがあるから頑張れる」と笑う。

 この20年で女性社員は随分増えた。「機会を逃さず果敢にステップアップしてほしい」と願いを込めエールを送る。

きたお・たまき 京都大薬学部卒。87年に日本新薬に入社。研究開発本部、研開企画部を経て2006年から事業企画部。07年から現職。夫と大学生、高校生の娘2人の4人暮らし。休日はゴルフや家族でショッピングを楽しむ。京都市出身。45歳。

【2009年9月6日掲載】