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日本酒の良さ 広めたい

黄桜 総務部経理課長心得 松井弘子さん
黄桜 総務部経理課長心得 松井弘子さん

 「辛口一献」のフレーズで知られる黄桜で経理を勤め13年になる。昨年春、女性では初めて管理職の一歩手前となるポストに任命された。目標は「思いやりのある上司」。ただ、甘言ばかりでは後継は育たない。「辛口」な言動は苦手だが、「人材育成のため厳しく接することも必要」と気を引き締める。

 売り上げや関連会社の仕入れなど入出金管理が主な仕事だ。かつて1枚ずつ手書きしていた伝票処理は、8年前にパソコン作業に変わった。現職に就き、当初は見えない重圧に悩んだが、「いちいち気にしても仕方ない。楽しくやろう」と自らを鼓舞した。

 専らデスクワークだが、百貨店などで商品の試飲会を開く時は応援に駆けつける。新人時代から続けており、一般客に薦めるセールストークも板に付いてきた。ただ、入社から四半世紀を経て日本酒を取り巻く環境は一変した。焼酎やワインに押され、売り場に立っても「日本酒離れを肌で感じる」。風味やパッケージの改良を重ねる同僚たちの苦労を知る分、「みんなが全力で仕事できるように裏でしっかり支えたい」と話す。

 入社の決め手は「会社にプールがあったから」。先代社長が水泳好きだったためで、終業後よく社屋の隣にあるプールで泳ぎ、疲れを吹き飛ばした。「小さい時から神経質で病気がちだった」が、働き続ける中で「随分強くなった」と笑う。

 入社5年で社内結婚した。同期や後輩女性が次々に「寿退職」する中、同居する両親のサポートを受けて2人の子どもとも出産後8週間で職場に戻った。定年までの折り返し地点を過ぎ、理想の上司像を描く。松井さんに聞けば何でも分かる−。「みんなにそう言われる存在になりたいですね」

まつい・ひろこ 城陽高商業科卒。83年に黄桜酒造(現黄桜)に入社。販売管理課、総務課を経て97年から経理課。2008年から現職。両親と夫、息子2人の6人暮らし。コミックを読むのが趣味。京都府宇治田原町出身。44歳。

【2009年10月18日掲載】