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学会の裏方 小回り武器に

セクレタリアット社長 林 康恵さん
セクレタリアット社長 林 康恵さん

 大学のまち・京都で数多く開かれる学会、国際会議の事務局を代行する。会員管理やデータ入力、学会誌の編集、翻訳、シンポジウム立案など裏方の仕事は幅広い。大手のように専門分業化できない分、「かゆいところに手が届く」小回りの良さを武器にしている。

 学会の全国大会などは、一年単位で準備に取りかかる。直前になるとスタッフ総出で泊まり込みの作業となる。教授らの注文に悩まされることもあるが、成功させるためにと予算管理などで苦言を呈すこともある。うまくいって当たり前の仕事。「あなたと組んでよかった」と言われたときの達成感がやりがいにつながる。

 大学卒業を控えた1994年当時はバブル崩壊後の就職氷河期で、希望の仕事に就くのは難しいと思って就職活動はしなかった。アルバイト仲間から京都工芸繊維大の教授が私設秘書を探していると聞き、「飲食店の制服のまま面接に走った」。電話番程度の仕事を想像していたが、依頼されたのは教授が創設した学会の事務局業務。この業界に飛び込むきっかけとなった。

 8年前に京都リサーチパーク(KRP)にオフィスを構えると、入居する異業種の社長らとの交流を深めた。現在はWEB制作 やコンサルタント会社の業務代行のほか、女性向け起業家セミナーのコーディネートなど民間や行政の仕事も引き受ける。

 契約を含め社員は8人。並行して5件程度の業務を手掛けているが、「売り上げではようやく軌道に乗ったレベル」。ベンチャーが生き残る割合は3年後に6割、10年で1割ともいわれる。だから「継続は力なり」と肝に銘じる。多忙な日々だが、日本画家の夫と晩酌の時間を楽しんだり、趣味のゴルフで心身をリフレッシュしている。

はやし・やすえ 1994年同志社大卒。大学教授秘書を経て、2004年に学会や国際会議の事務局運営などを代行する「セクレタリアット」を設立。アーチェリーは高校総体個人3位、京都国体団体2位の腕前。京都市出身。38歳。

【2009年11月8日掲載】