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安全性で海外にも販路

小米茶園代表 小野 とし子さん
小米茶園代表 小野 とし子さん

 「肥料や農薬をやらなくても植物は十分育つ。有機肥料でも元は何が入っているか分からない。土の力を生かしてやることが大切なんです」  無施肥無農薬で茶葉や野菜を栽培している。食の安全が重視される今、安心感を売りにオリジナルの茶が国内外で人気を呼んでいる。

 事業のスタートは、結婚を機に京田辺市に移り住んで専業主婦になってから。親族が病気で亡くなったこともあり、「安全な食品を食べたい」との思いで前から興味があった家庭菜園を始めた。

 農業に明るい知人を通じて無施肥無農薬の栽培を知り、挑戦した。作った野菜が安心で味がよいと評判を呼んでスーパーに卸すまでになり、勧められて放置されていた茶畑を借りた。

 「周囲には『農薬や肥料なしで茶ができるわけがない』と言われた。3年ぐらいは大変だったけどいろいろ試して体で覚えてきた」という。

 無施肥無農薬農法は、収量が普通の栽培方法の7割程度だが、農薬や肥料のコストを考えると割に合うという。苦労して玉露作りに成功し、今年は約14キロ収穫できた。嫌みのない味に賛同者も増え、府内の和束町や滋賀、静岡などに生産委託農家もできた。2008年の売上高は前年の倍の約2300万円に上った。

 現在は海外にも販路を広げ、中国やシンガポール、米国への野菜や茶の販売も始めている。「安全安心といえば日本というイメージがあるので海外の方が受け入れてもらいやすい」。国内でも数年前は見向きもされなかったが、今は店側から声をかけてくれるようになったという。

 「無施肥無農薬に切り替えるのは簡単にできる。もっと農法をアピールして協力農家を増やしていきたい」と力を込める。

おの・としこ 1968年亀岡高卒業後、京都市内で紡績会社に勤務。97年に個人事業で小米茶園を設立。NPO法人無施肥無農薬栽培調査研究会(左京区)の理事も務める。亀岡市出身。60歳。

【2009年11月15日掲載】