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個性生かしオーダー服

ファッションルームイシダ代表 石田絹江さん
ファッションルームイシダ代表 石田絹江さん

 着る人の雰囲気を生かしてデザインし、採寸、仮縫いを経てジャストフィットの服を作る。オーダーメードのプロとして数々の女性を華やかに飾ってきた。「お客さんと心が通じる仕事。既製服しか知らない若い人にも良さを知ってもらいたい」と語る。

 京都市左京区の自宅にアトリエを設け、一対一の接客でどんな服がほしいのかじっくりと聞く。「お客さんのたんすの中身まで知っている。コーディネートを考えながら提案し、一緒に服を作っている」。生地は「色の鮮やかさにほれた」欧米製を使う。腕の確かさとオーダーメードならではのサービスで口コミで得意客を増やしてきた。

 昨年、ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英京都産業大教授の妻明子さんのために授賞式後の晩さん会用ドレスなどを作った。「依頼が来たときはびっくりしたけれど、名誉な仕事をさせてもらった」

 小さいころからおしゃれが好きで、中学校の修学旅行には自分で作ったワンピースを着ていった。洋裁学校を卒業後、オーダー専門店で裁断師として勤め、毎日15着ほど仕上げる忙しさの中で腕を磨いた。結婚を機に辞めたが、出産後、すぐに自分の店を持ち、縫い手も抱えた。

 来年で創業50年を迎える。顧客の年齢層も高くなった。こだわっているのは、「着て元気になる服」。明るい色使いを心がける。「年をとってもみんな服に興味がある。待ってくれている人がいるから、もう少し仕事を続けるつもり」と笑顔をみせる。

 オーダーメードは10年、15年と長く大切に着られる良さがあるという。「次の世代がもっと元気になり、業界を盛り上げてほしい」。京都服飾デザイナー協会理事長として、若手デザイナーの発掘にも努めている。

いしだ・きぬえ 洋裁学校の藤川学園卒。婦人服オーダー専門店で勤務後、60年にファッションルームイシダを創業した。98年から京都服飾デザイナー協会の理事長を務める。趣味は40代後半から始めたゴルフ。74歳。

【2009年11月28日掲載】