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起業家精神で人材育成

NPO法人アントレプレナーシップ開発センター理事長 原田紀久子さん
NPO法人アントレプレナーシップ開発センター理事長 原田紀久子さん

 新しい分野に挑戦するアントレプレナーシップ(起業家精神、特性)あふれる人材の育成に情熱を注ぐ。合言葉は「若者が挑戦できる社会に」。小中学生から大学生、社会人まで幅広い世代を対象に自ら考え、意欲的に行動する力を育てる活動に取り組む。

 テナントビル3階に小さな事務局を構える。スタッフは女性3人。教材や学習プログラム開発、研修の企画が主な収入源だが、「それだけでは運営できない」のが実情。大手や中小企業を訪ね、協賛金集めに奔走する。

 知名度は決して高くない。企業担当者に電話で依頼しても「怪しまれて大抵は会ってもらえません」。それでも「飛び込み営業」や知人の紹介でコツコツと人脈を広げ、経営者らに次代の人材育成を説いてきた。

 壁は教育現場にもあった。小中学校では商売や金銭教育に対する拒否感が根強く、ビジネスの実例からアントレプレナーシップを学ぶ教育を提案しても「企業の味方はできない」と断られることが少なくない。だが、子どもらの発想力や判断力、責任感を養うと何度も訴え、賛同者を少しずつ増やした。

 「起業家を応援する人を育てることが、起業家の育成につながる」。失敗しても再起の機会が多い欧米のビジネス風土に比べ、一度の挫折を極端に恐れる日本の若者の就業観を変えたいと願う。

 京都リサーチパーク(京都市下京区)在職中にNPO法人(特定非営利活動法人)を立ち上げ、これまで約6万人にビジネスをつくり出す楽しさを伝えてきた。活動開始から10年。「教員や企業、行政の担当者ら多くの支えがあったからやってこれた。これからは世界で活躍するリーダーの育成を強化したい」と力を込める。

はらだ・きくこ 京都大経営管理大学院卒。スタンフォード日本センター勤務を経て1997年京都リサーチパーク入社。2003年にNPO法人アントレプレナーシップ開発センター事務局長。04年KRPを退社し、今年7月から現職。趣味は食べ歩き。亀岡市出身。46歳。

【2009年12月6日掲載】