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やさしいリモコン追求

三菱電機京都製作所AV機器製造部設計グループ専任 川勝かがりさん
三菱電機京都製作所AV機器製造部設計グループ専任 川勝かがりさん

 デジタルテレビの番組表を音声で読み上げる業界初の機能を開発した。2007年夏モデルから搭載し、視覚障害者から「こんなテレビはなかった。1人で録画できる」と喜ばれた。「人に感動してもらえることこそがエンジニアのやりがいです」と語る。

 読み上げ機能は、06年秋の視覚障害者との意見交換会がきっかけだった。テレビ番組が音声だけでもラジオ以上の貴重な情報源になっていると知り、他人に頼らず番組情報を得られる機能の開発を決意した。社内の別部門で動作の軽い音声ソフトが開発できたことも重なり、聞き取りやすい音質や早聞き機能などの調整を重ねてテレビ制御ソフトに組み込んだ。視覚障害者だけでなく高齢者らにも好評だという。

 入社当初から長岡京市の京都製作所でテレビ開発に携わった。当時は男女雇用機会均等法の施行前で、職場で当たり前のように女性が同僚へのお茶くみをさせられるのが嫌だった。上司に「女性だからというのはおかしい」と掛け合ってやめさせた。「以来、女性として意識させられたことはなく、働きやすい職場」と笑う。

 現在はテレビ用リモコンの設計を担当し5人の開発チームをまとめる。「高齢者に『壊れたらどうしよう』と不安にさせないユニバーサルデザインを目指している」。数字や十字ボタンは他社より大きくてわかりやすいと自負しているが、多様化するニーズへの対応が課題だ。「ボタンの取捨選択は難しい」

 今後もテレビは高機能化し、ネットワークにつながってより個人的な好みを実現していくと近未来の姿を描き、「定年までに、読み上げ機能以上の話題製品を作り上げるのが夢」と語る。

【2010年3月28日掲載】