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新たな治療 提案したい

マルホ京都R&Dセンター医薬開発研究所チーフ 安藝裕美さん
マルホ京都R&Dセンター医薬開発研究所チーフ 安藝裕美さん

 入社13年目。皮膚科と外用剤に特化した医薬品メーカーで、製品の企画・立案を手がける。「グローバル展開の可能性が広がる中、事業戦略に自分の意見を反映させることができる」とやりがいを語る。

 大学で脳神経系疾患の病態や治療法を学んだ。仕事では「手を動かして人が使うものを作りたいと思っていた」

 入社して半年後、研究・開発拠点として開設された京都R&Dセンターで研究部に配属された。保湿剤や抗炎症剤など発売前の薬の効果や毒性などの成分を調べたり、製品の形や処方の仕方など製剤技術を開発する「薬理研究」に当たった。臨床試験の前段階で、動物や細胞を使ってデータ収集を繰り返す作業だ。

 国内でBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)が問題化した際は、牛由来の原料の使用を取りやめて安全な製品を供給するため、短期間での評価、検証作業に追われた。新人からマネジャー、グループ長まで、チームで同じ目標に進む中、「職場は人間形成の場そのものだと感じた」と振り返る。研究部での10年間で、技術以外に多くを学んだからだ。

 現在は、次の商品作りや既存商品の改良に向けた案を考えている。薬理研究で培った経験がアイデアの源となるが、「独り善がりにならず、患者や医師らが必要とする商品作りで、新たな治療が提案できれば」と力を込める。

 同業他社で研究所勤務の夫は、「仕事上もよき理解者で、忙しい時は助け合いです」と顔をほころばせる。欧州旅行好きが高じて、4年前から夫婦そろってフランス語の勉強を続けるほか、趣味で始めた華道も10年たつ。プライベートでも充実ぶりが伝わってきた。

あき・ひろみ 京都薬科大卒。1998年、外用薬のマルホ(本社・大阪市北区)入社。京都R&Dセンター医薬開発研究所(京都市下京区)の研究部を経て、2年前から製品戦略部企画グループのチーフ。奈良県出身。神戸市在住。36歳。

【2010年8月1日掲載】