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授産品にトレンド反映

ぐるーぷカムカム社長 中西明子さん
ぐるーぷカムカム社長 中西明子さん

 京都市内の自宅マンションに構えた事務所で、アクセサリーや小物の企画販売を手掛ける。今年から障害者福祉施設と本格的な商品を共同開発する「協業」を始めた。温かみのある手作りの授産製品に、顧客ニーズやトレンドを反映させ、市場流通の拡大に情熱を注ぐ。

 障害者福祉施設には細かい作業への集中力や創造力に秀でた利用者も多く、一人一人の能力と個性を見極めながらネックレスや財布などの製作を提案する。ネックレスの工賃は1本当たり200円で、通常の下請け単価の10倍超。商品価格を市販品と同等に設定し、低賃金に悩む施設利用者の報酬アップも図る。

 「お客さんは欲しい商品が買え、作る人も意欲が沸き、会社も利益を出す」。福祉施設と民間企業、顧客を結んだ「三方良し」のビジネスを目指す。福祉施設と共同開発した商品は「ソーシャル雑貨」と命名。6月に中京区で催した展示販売会には約300人が訪れ、手応えを深めた。

 5年前に経験した事業の失敗を糧に、逆境に負けない粘り強さや判断力を磨いた。一度は商売の道をあきらめたが「逃げたらあかん」と奮起。持ち前の明るさと行動力で福祉施設に飛び込み、市場ニーズに沿った付加価値の高い商品づくりを力説した。

 「協業で最も大切なのはお互いのコミュニケーション」と話す。障害者の介助や下請けの納期に追われる施設の職員は、現在の仕事で手いっぱいだ。「企業側が歩み寄り、作ってもらう商品の説明や技術指導を丁寧に行う必要がある」

 発注企業と施設を仲立ちする事業にも乗り出し、9月には社内にソーシャル事業部を立ち上げる。「将来は海外の福祉施設とも協業したい」と夢を膨らませる。

なかにし・あきこ 京都文教短期大卒。食品総合商社の営業事務や化粧品メーカーの営業を経て「ぐるーぷカムカム」を創業、2004年4月に有限会社を設立した。韓国語を勉強中で、休日は韓国ドラマを鑑賞するのが楽しみ。京都市中京区在住。43歳。

【2010年8月22日掲載】