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住む人の喜びを探して

リフォームセンターつかもと代表 塚本明美さん
リフォームセンターつかもと代表 塚本明美さん
 専業主婦から男性社会の建築業界に単身で飛び込んだ。左官請負業の夫の仕事を子育てしながら手助けする中で「いつかは自分で仕事をしたい。女性でも頑張ればできる」と思い立ち、33歳で起業。住宅関連ならどんな仕事でも引き受けようと、軽トラック1台でスタートした。
 増改築相談員、宅地建物取引主任者などさまざまな分野の勉強に明け暮れた。建設業関連の組合にも入ったが、女性はただ一人。だが、「女性だからできることもある」と努力した。住宅の雨漏り、ふすま張りなどいろんな相談を受け、持ち前の行動力で現場に足を運び続けた。協力業者も徐々に集まり、住宅リフォーム分野に特化した。
 当時はリフォーム業界では丼勘定が目立ち、料金を多めに見積もる業者もいて業界全体が問題になった時期もあった。「商売では決してうそをつかないことが大事。主婦感覚で細かく正直に見積もる形式が信用された」。部屋の点検の際も安心感があり、相談しやすいと評判になった。
 換気扇のスイッチは背の低い主婦向けには手元に付けた。物入れも高齢者向けには腰をかがめずに済むように下部には付けない。「焼き魚が好きな家庭にはそれに合ったこんろを用意する。家族構成に合わせて風呂の大きさを判断し、省エネも心掛ける」など、暮らす人の立場に立ったリフォームが信条だ。
 今後取り組みたいのは、失われつつある町家を保全する「家まもり」の事業。「京町家を守って地域の人を手助けしたい」。リフォームの技術を使って町家を維持する提案を試みるつもりだ。
 起業を目指す女性たちへ「わたしは『人に喜んでもらう』という目標に向かって努力しただけ。誰でも起業はできる。地に足をつけて、ぶれずに貫けば目標は達成できる」とエールを送る。

つかもと・あけみ 明徳商業高(現京都明徳高)卒。1966年、京都西川入社。和文タイピストとして勤務し結婚後、専業主婦に。1982年にリフォームセンターつかもとを1人で起業。日本画を習い、絵手紙も得意。京都市左京区出身。62歳。リフォームセンターつかもとは西京区牛ケ瀬西柿町35。TEL075(392)0464。

【2010年9月19日掲載】