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世界中回り 花売り込み

タキイ種苗海外営業部草花課チーフ 橋本あゆ美さん
タキイ種苗海外営業部草花課チーフ 橋本あゆ美さん

 花の海外営業のスペシャリストとして、海外の子会社や代理店と販売計画立案や取引先開拓を進める。デンマークやアルゼンチン、中国など訪れた国は30近く。「社内で最も海外出張している社員」と言われる。4月に育児休業から復帰したばかりだが、すでにオランダ出張が控える。

 米国の大学で切り花の研究をしていた経験を買われ、同社では珍しい中途採用で8年前に入社した。当初担当者は1人だけ。年間100日ほど海外を飛び回る生活だったが、「中国の奥地など普通の旅行では行けないところに行ける」と楽しんだ。学んだのは相手に合わせ、柔軟に話をする姿勢。「米国人だったらこう、日本人だからこうあるべき、ではない。何をしたいか、そのためにどういう方法がいいのか考えることが大事」と確信する。

 花の用途は広い。普段の生活で楽しむ場合もあれば、国家的イベントを彩る演出の一つになることもある。2年前の北京五輪では、会場周辺の緑化に自社の種子が採用されるよう、現地の代理店を通じて当局に営業をかけ続けた。その結果、暑さに強い花「カンナ」がメーンスタジアム周辺で採用された。「試験栽培を含め3年ほどかかった事業だったのでうれしかった」

 現在の課員は自身を含めて6人。「治安が良くない地域の営業に必要」と男性社員の配置を実現させるなど、要望ははっきりと言ってきた。今は人材育成も大きな仕事の一つになっている。

 昨年10月に長女を出産し、復帰はそのわずか半年後だったが、和菓子屋を営む夫の協力と短時間勤務の利用で、仕事との両立を図る。すべてをばりばりとこなしているイメージだが、本人は「そんなつもりはないんです」と自然体だ。

はしもと・あゆみ 米・オハイオ州立大大学院修了。フロリダ大の研究員を経て、2002年に入社。09年に海外営業部第一課の草花担当チーフになり、今年4月に草花課として独立してから現職。趣味は10年以上のキャリアがあるサルサ。静岡市出身。38歳。

【2010年10月3日掲載】