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家具の浜野社長 浜野恵子さん

復元家具で違い生む
家具の浜野社長 浜野恵子さん

 亡き夫と創業した輸入アンティーク家具などの販売店を守る。低価格の大手専門店が台頭し、引っ越しのたびに家具が捨てられる時代になった。「食事するときも勉強するときもそばにあり、お嫁入り道具にも持っていくほど大事に使われていた、かつての家具の使命を取り戻したい」と熱い思いを胸に抱く。

 9年前に夫をがんで亡くしてから、必死に会社を経営してきた。家計簿をきっちりつけたこともなかったが、社員に請われ、社長に就いた。しかし、売り上げはみるみる減少した。「毎年同じことをしているだけではだめだった」と振り返る。

 似たようなアンティーク家具店が増え、周りの環境も変わった。「ほかとは違うものを売ろう」。生き残りをかけ、アンティーク家具の復元を専門業者を通じて始めた。復元とは、いったん部材にばらし、アルコール消毒して組み上げること。家具の持つ雰囲気はそのままに、昔使っていた人のにおいや汚れをきれいに落とすことができる。

 しかし、その分通常より3割ほど高くなり、1年以上まったく売れなかった。徐々に客に良さを理解してもらえるようになり、今では会社を代表する商品になっている。

 短大を卒業後、23歳で結婚した。家具屋に生まれ育った夫と始めた輸入雑貨、家具販売店を二人三脚で経営していたが、出産を機に主婦業に専念した。

 現場に復帰したとき、息子3人はまだ幼かった。店の3階に引っ越し、お手伝いさんを雇うなど、仕事と家庭の両立を模索してきた。社員には「大事な時にいない」と言われたこともある。今は三度の食事作りだけは手を抜かず、時間の使い方を考えて行動している。「息子にバトンタッチするまであと10年は頑張らないと」。笑顔がはじけた。

はまの・けいこ 名古屋栄養短期大(現名古屋文理大短期大学部)卒。1986年に夫と雑貨、家具の輸入販売店を創業。2001年から現職。大の着物好き。週3回は着物姿で店頭に立つ。名古屋市出身。50歳。家具の浜野本店は京都市左京区下鴨宮崎町119の1TEL075(781)0688。

【2010年11月21日掲載】