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中国との安心取引支援

大王テクノス社長 張英さん
大王テクノス社長 張英さん

 来日から約20年。京都の大学院での研究や商社勤務を経て、昨年、長岡京市に金属部品輸出入の会社を設立した。「京都は第二のふるさと。恩返ししたい」と、中国企業との橋渡しに奔走する。

 「世界を見てみたい」。生まれ育った中国・上海市で幼稚園教諭をしていたとき、人生に迷い、日本に飛び立った。当時文通していた京都市西京区の女性の両親が身元保証人を引き受け、ホームステイさせてくれた。日本語学校を経て、龍谷大に入学。日中間でビジネス上のトラブルが多いと知り、国際商事仲裁や会社法を研究した。

 現場経験は、先輩に頼まれて始めた商社での通訳の仕事を通じて重ねた。納入先から中国製品の不具合を指摘され調べると、旧正月明けに作った製品だった。作業員が故郷に帰るなどして入れ替わっていたことが原因だった。「それぞれの習慣や、言葉の裏側まできちんと分からなければいけない」と、仲立ちする存在の重要性を痛感した。

 独立後は金属部品の輸出入や、日中間の企業進出のサポート、通訳・翻訳事業を手がける。「お世話になった京都に何かしたい」と京都企業とのビジネスにも情熱を注ぐ。京都市内の企業が製造する太陽電池の検査装置については、4月から毎月、中国の地方都市を回り、営業をかけている。「言葉だけでなく法律や商習慣が分かる者が間に入ることで、問題が発生したときに安心してもらえる」と自身の強みを分析する。

 尖閣諸島問題などぎくしゃくする日中関係だが、「両国は互いに大きなビジネス相手。理解し合い、しっかり手を組むことが大切」ときっぱりと語る。経験を本にまとめ、中国の後輩たちに伝える夢を抱いている。

ちょう・えい 中国・上海市出身。1991年に来日。龍谷大大学院法学研究科博士課程修了。鋳物や鉄製品を扱う商社勤務を経て、2009年10月に会社設立。日本と中国を行き来する生活を送る。趣味は「心のリフレッシュ」という海外旅行。47歳。

【2010年12月12日掲載】