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京薩摩の魅力を世界へ

サツマヤ奥谷取締役 奥谷かをるさん
サツマヤ奥谷取締役 奥谷かをるさん

 彩色陶器「京薩摩(粟田焼)」を製造販売するサツマヤ奥谷(京都市東山区)で経理や労務を担当する。同社は1905(明治38)年の創業以来、輸出も手掛けており、「随分たくさんの京薩摩がうちの店からも海外に出ていった。海外の人たちの手元に置かれ、見て、触れて、楽しんでいただいていると思うと大きな幸せ」と話す。

 京薩摩は江戸時代初め、東山区粟田口辺りで生まれたという。薄い乳白色の生地に細かく入っているひびや、豪華で精巧な彩色が特徴とされる。明治期以降、多くの作品が輸出された。

 サツマヤ奥谷の奥谷智彦社長との結婚を機に、京薩摩にかかわり始めた。銀行員時代の経験を生かして経理や商品管理を担ったが生活の中心は子育てだった。「役に立つというより、研修させてもらっていた感じ」と振り返る。

 3人の子ども全員が独立した今も、「公私とも、夫のサポートという立場を変えるつもりはないので、働いている女性というのは口幅ったい」と言うが、自分一人で仕事を抱え込みがちという。

 夫から「京都商工会議所女性会で先輩たちと交流し、視野を広げてはどうか」と提案され、2000年に入会した。参考になることは多い。「大先輩に『年を重ねるごとに勉強しないといけないことが増えていく』と申し上げたら『一生勉強よ』とおっしゃった。『あっ、そうか』。私が勉強中でもおかしくないのか、と」

 趣味は能鑑賞で、代々受け継がれてきた伝統や文化に思いをはせる。家業にも通じる点があり、「使命感を持ってつないできた」。大正時代は、都ホテル(東山区、現ウェスティン都ホテル京都)の外国人宿泊客を人力車で本店に案内した。成田空港や関西空港では開港当初から直営店を営む。「今後も時の流れを誠実に受け止めていきたい」

おくたに・かをる 同志社大英文学科卒。1981年の結婚を機に、サツマヤ奥谷の事業に携わる。2009年から京都商工会議所女性会副会長。社会福祉団体「寛仁親王殿下柏朋会」会員、京都府防衛協会青年部会監事などとしても活躍中。京都市出身。52歳。

【2011年5月8日掲載】