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お客と真剣勝負楽しむ

温泉旅館「びわ湖花街道」女将 佐藤祐子さん
温泉旅館「びわ湖花街道」女将 佐藤祐子さん

 きりりとした着物姿と笑顔でお客を迎える女将(おかみ)として、また経営のトップである社長として、曽祖母の代から大津市雄琴で続く温泉旅館「びわ湖花街道」を取り仕切る。「笑顔でお客さんに応対すること、料理がおいしいこと、旅館として当たり前のことを当たり前にやっていきたい」と意気込む。

 二人姉妹の長女で、生まれた時から周囲に「跡取り」と言われながら育った。短大を卒業して地元企業に3年間勤めた後、一社員として旅館に入った。フロントや仲居など、1年間かけて旅館のさまざまな仕事を経験した後、若女将に。当時、旅館には女将はおらず、苦労の連続だった。「お辞儀の仕方が悪いと、お客さんに怒られ、教えてもらった」と打ち明ける。

 その一方で、仕事の楽しさに夢中になった。「お客さんの反応がその場で分かる。真剣一発勝負の恐怖心や緊張感はあるが、それがたまらない」

 4年前に結婚したが、体調もすぐれず、いらいらした時期もあったという。業績にも影響が表れた。「現場を見て見ぬふりして、自分の生活に守りに入ろうとした一方で、あれもできてない、これもできてないと自分を責めて、周りに当たってしまっていた」と振り返る。

 それに気付いたのは3年前、母親が亡くなったのがきっかけだった。仕事のことで電話で大げんかをした2時間後、母親は気管を詰まらせ寝たきりに。謝ることもできず亡くなった。「何でも思ったことを言えばいいのではない。従業員の気持ちが思いやれるようになった」

 母の死を機に、社長に就任。最近、社長の実感がわいてきたという。そして、風俗街のイメージを拭い去ろうと努力し、顧客獲得に努力してきた父親たちに感謝している。

 「1%でも売り上げを上げ、給料を上げ、従業員を幸せにすること。そして、地域の人たちに、雄琴の温泉旅館は私たちの財産と思ってもらえるようになりたい」

さとう・ゆうこ 京都女子大短期大学部卒。滋賀県内の大手センサーメーカー勤務を経て1994年温泉旅館「国華荘(現・びわ湖花街道)」を運営する国華荘入社。専務を経て、2009年6月から社長。フェイスブック仲間と交流して気分転換を図る。京都市山科区生まれ。40歳。

【2011年6月19日掲載】