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医薬新分野開拓、心弾む

第一工業製薬研究開発本部第一研究開発部課長 芝田美穂さん
第一工業製薬研究開発本部第一研究開発部課長 芝田美穂さん

 第一工業製薬は一昨年、創業100周年を迎えた。せっけんやシャンプーなどに使われる界面活性剤を原点に、アメニティー材料やウレタン材料、機能材料、電子デバイス材料を主軸に事業を展開する。

 同社組織は機能化学品と電子材料、樹脂材料の3事業部に分かれるが、研究開発本部は事業部に属さない部署だ。「事業部の枠にとらわれず、将来の柱となるような新製品や新分野を調査研究し、技術を開発する」役割を担う。

 現在取り組んでいるのは医薬関連の分野。5〜6年前から業界の動向を調べたり、東京や大阪で開かれる化学系のセミナーに参加したりして、事業化の可能性を探っている。「聞いたことのない用語も多く、毎日が勉強」と苦笑しつつも、「古くから医薬業界に原料を提供してきた実績もあり、将来性がある分野だと思う。仕事を任せてもらえ、恵まれている」と話す。

 「京都で働きたい」と研究職で入社した。界面活性剤の事業に携わり、住居や食器、衣類、シャンプー・リンス、化粧品など生活関連の製品を開発してきた。営業担当者と一緒に取引先を回ることもあり、「熱意や態度は伝わる。信頼してもらえる研究者になることが大事」と学んだ。

 入社後初めて担当した取引先に、改良を重ねた製品を採用してもらい、その製品が使われた洗浄剤が店頭に並んでいるのを見て、「自分がやってきた仕事は最終的にこういう形になるんだ」と感じたのが思い出深い。

 仕事をする際には「できません」と言わないよう心掛ける。新分野への挑戦はリスクを伴うが、実現性や方向性を見極めるためにも「最初からあきらめず、まずは一歩踏み出すことが大切。ある程度やってみないと分からないこともある」。

 目標は、今取り組んでいる分野の事業化へ道筋を付けること。「新しいことは先が見えないのでスリリング。でもその分、やりがいがある。何とか形にしたい」と意気込む。

しばた・みほ 東北薬科大卒。薬剤師。1990年に入社、界面活性剤を扱う部署に配属された。2006年、研究部門で女性初の課長に。08年4月から現職。趣味は読書でジャンルを問わず楽しむ。京都府野田川町(現与謝野町)出身、京都市中京区在住。43歳。

【2011年6月26日掲載】