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現場に合わせ昇降機開発

フジテック商品開発本部 機械開発部エンジニア 広瀬裕紀子さん
フジテック商品開発本部 機械開発部エンジニア 広瀬裕紀子さん

 エレベーターは、数万点に及ぶ部品を工場で3千パーツほどに組み立て、さらに現場で各パーツを設置して完成させる。所属する機械開発部の機械システムチームは、各専門チームが開発したセンサーや駆動装置を一つのエレベーターシステムにまとめ上げる。

 育児休業から復帰して1年。「図面上で考えたものが形になるのがうれしい」。日々ものづくりの喜びを感じている。

 収益を生まないエレベーター部分を小さくしたいというビルオーナー側の意向もあり、エレベーターはコンパクト化の流れにあるという。「ミリ単位の競争で負けることもある」という厳しい世界。狭い場所での作業性を高めるため、ボルトが逆向きだと取り付けられない穴の設計にするなど、効率性や正確さを高める工夫を凝らす。

 大好きなSF小説を通じてロボットやロケットに興味を持ち、大学では機械工学を専攻した。金属加工を学ぶうち、「動くものに携わりたい」とエレベーター、エスカレーターメーカーのフジテックに入社した。

 チームのメンバーは9人。後輩は2人に増えた。行き詰まると互いに相談し、「フレッシュな意見」に耳を傾ける。部品の多くは人が乗るかごの外側にあり見えないが、「シースルーのエレベーターでは中をのぞき込んで『今日も元気だね』と思うんです」。

 2年前に長男を出産した。育児休業の取得は機械開発部社員として初めて。「周りにどう見られるかなと思ったけれど、快く送り出してくれた」と周囲の理解に感謝する。保育園への送り迎えは夫と手分けする。大阪と兵庫に住むそれぞれの両親の助けも借りながら、仕事との両立に努めている。

 「これからも、エレベーターに求められるものと設置する現場との橋渡しをしていきたい」。熱い思いを胸に抱く。

ひろせ・ゆきこ 大阪大大学院基礎工学研究科修了。2003年フジテック入社。以来、機械システム開発に携わる。09年4月から1年間、育児休暇で休職。趣味は推理小説などの読書。大阪府箕面市出身。守山市在住。32歳。

【2011年7月24日掲載】