京都新聞TOP > 経済特集アーカイブ > MyウェイMyライフ
インデックス

300種以上の新商品開発

山城屋会長 真田悦子さん
山城屋会長 真田悦子さん

 東本願寺への寄進で授かったという「山城屋」を屋号に、乾物を製造販売する真田(宇治市)で300種類以上の商品の開発に携わってきた。

 香川県の高校を卒業後、地元呉服店でアルバイトを始めた。未収金の回収に出向くという当時としては異例の方法で資金繰りを改善させ、仕入れを体験させてもらうと選んだ着物が売れた。呉服店主の薦めもあり1953年、乾物問屋に嫁いだ。

 出産直前の58年、愛媛県にできた四国初のスーパーを視察し、客も見えを張らず、好きな商品だけを買う形態が浸透すると感じた。スーパー専用食品問屋に転換しようと同年、出店が相次ぐ大阪府へ。本社を構えた守口市では近所の人たちが子育てに協力してくれた。「『商売ばっかりして、子どもの世話もせんと』と怒りながら、ミルクを飲ませてくれたりした」

 自社ブランドも開発した。82年、京都の七味メーカーが使う程度だった金ごまを付加価値のある「京いりごま」として発売。「300円のものが900円になるとしんどいが、十円単位の商品なら3倍でもいける」との持論がヒット商品を生んだ。

 当時は即席麺の卸販売が売り上げの大半を占めていた。ただ、量販店と取引するには人を含め物流機能が足りなかった。会社の在り方が問われる中、金ごまなどのヒット商品が乾物メーカーへの変更を踏み切らせた。

 乾物料理が手軽にできる「京のおばんざい」シリーズを嫁の千奈美専務(53)と開発した。「京」ブランド商品は増える中、本社は守口市のままで釣り合いが取れなくなっていた。

 他社との価格競争からブランド力を高める必要もあり、創業100周年の2004年、乾物販売の山城屋(東山区)を設立して会長に就いた。09年には、監査役を務める真田も本社を宇治市に移した。屋号にちなむ「新天地」で新たなスタートを切り、「乾物を知り尽くしている方のためにも、昔ながらの純度の高い製品を販売していきたい」と話す。

さなだ・えつこ 高松市出身。香川県立高松高卒。19歳で乾物問屋だった真田家に嫁ぎ経営に携わる。株式会社化した1972年専務に就任。2003年に退任して監査役に。04年から山城屋会長。大阪府守口市在住。77歳。

【2011年11月6日掲載】