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CAおもてなし術、伝授

フォーシーズインターナショナル社長 神服佐知子さん
フォーシーズインターナショナル社長 神服佐知子さん

 1年前まで「空飛ぶ社長」だったというから驚きだ。日本やスイス、オランダの航空会社で国際線の客室乗務員(CA)として、計12年間のキャリアを積んだ。外国人への豊富な接客経験を生かし、「日本の企業や商店の良さを海外の人に発信できるよう、お手伝いしたい」と話す。

 現役のCAだった2007年に起業し、英語の接客マナーを研修、指導する会社を京都市上京区で立ち上げた。海外顧客を抱える企業の営業マンや飲食店、ホテルの従業員らにケーススタディー形式の講習を開き、外国人客に好感度の高い語り方や電話応対の基本などを教えてきた。

 「海外の流儀を知って、接客してほしい」と語る。例えば中国や中東、スペイン人は会話する際の距離が1メートル程度と近く、日本人が思わず後ずさりすると「歓迎されていない」と伝わってしまう。海外には商談途中の雑談で妻や子供など家族の話を好む人が多く、「製品の利点だけでなく営業担当者の人柄も伝えてほしい」。京言葉など微妙なニュアンスの日本語は理解されにくく、かみ砕いて英訳することが大切だという。

 勤務していたスイス航空が2002年に経営破綻(はたん)。通訳兼秘書として再就職した京都企業で、海外のVIPを社寺など著名な観光地に案内すると「丁寧な英語を話せない人が多く、意外と接客が良くない」と感じた。ヒントをつかんで起業し、現在は知人の元CAら約40人の登録社員を抱える。

 今年2月から京都の商店街を対象に外国人観光客への「おもてなし」を教え始めた。英語の苦手な高齢店主に合わせ、接客時によく使われる英会話のリストを作成。「ずっと生活してきた京都への恩返しになれば」と話す。

はっとり・さちこ 97年同志社大文学部英文学科を卒業後、国際線の客室乗務員を全日空やスイス航空で7年、KLMオランダ航空で昨秋まで5年務めた。在職中の07年に「フォーシーズインターナショナル」を設立して社長。中学時代に水球で全国大会に出場した経験があり、ゴスペル、ピアノが趣味。京都市中京区出身、在住。37歳。

【2011年12月11日掲載】