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世界有数のCVT技術

ジヤトコ八木工場 南丹市八木町室橋山田
CVT(無段変速機)のファイナルテストラインで加工する従業員。職人の技と最新設備が高品質を支える
 工場内にある約千台もの生産設備がフル稼働の状態だ。主力製品は自動車用の無段変速機(CVT)。変速時のショックがなく、スムーズな変速制御が持ち味で自動変速機(AT)に比べ燃費効率も格段に高いという。現在、組立ラインの通常の月産能力(二万五千五百台)を上回る月産約三万台のペースで生産が続く。「ガソリン高騰で燃費や環境に配慮した車が全世界で注目を集めている。追い風でCVTは増産に追われ、大忙し」。本村哲生工場長(49)は苦笑する。
 日産自動車の子会社の変速機メーカー。八木工場では二〇〇〇−二五〇〇ccクラスのCVTのほかに三〇〇〇−三五〇〇ccクラスの前輪駆動車用六速ATの二機種を生産する。現在の供給先は日産や三菱自動車、韓国のルノー三星、フランスのルノーだが、今後増える見通しだ。
 JR八木駅から車で約十分。緑の山並みに囲まれた高台に工場はある。もとは二〇〇〇年に三菱自動車工業の工場として開設され、ジヤトコの工場となってから〇六年十月に増築。組立二ライン、加工四十六ライン、熱処理十五ラインを備える。
 同社では鋳造・鍛造から熱処理、機械加工、組立と、ものづくりの主要工程を有し、これらの工程に最新の設備と技術を導入、自動化を進める。それらを支えるエンジニアリング力も豊富で強みだ。しかし、メーン組立やファイナルテストなど手作業の工程も残されており、「最終的には人のスキルで製品の良しあしが決まる。中でも八木工場はCVTでは世界でトップクラスの製造技術を持つ」と本村工場長は胸を張る。

環境にやさしい製品づくり

ジヤトコ八木工場が生産している中型乗用車用のCVT
 八木工場は「グリーンファクトリー」を掲げ、環境や地域との共生にも力を入れる。廃棄物の削減や排水処理、騒音対策はもとより地域住民との交流行事が毎年秋に開かれている。
 メキシコや中国など海外生産拠点を増強するジヤトコ。だが本村工場長は「高品質で環境にやさしい製品づくりを国内に根付かせたい。国内主力工場として他の生産拠点と切磋啄磨(せっさたくま)していきたい」と話す。
<メモ>  2003年4月開設。敷地面積23万3千平方メートル、工場延べ床面積6万8千平方メートル。従業員は約750人。ジヤトコの08年3月期の売上高は5150億円。八木工場の生産台数は年37万台で同社全体の10分の1を占めている。

【2008年9月15日掲載】