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機械と電気 融合強みに

ニチユ京都工場 長岡京市東神足2丁目
大型モーターを据え付けたフォークリフトの本体部分。バッテリーや制御機器と配線をつなぐ作業は人の手が頼り(長岡京市東神足2丁目)
 JR長岡京駅南側に広がる広大な敷地に十数棟のさまざまな建物が立ち並ぶ。一九三七(昭和十二)年の会社設立当初は炭鉱採掘現場で稼働するバッテリー機関車の製造拠点だった。三九年に日本で初めてバッテリーフォークリフトを開発した。現在、バッテリーフォークリフトやけん引車、構内搬送車などを年一万四千台生産している。
 腕の形をした高さ二メートルを超えるロボット五台が鉄板などをそれぞれ持ち上げ、火花を散らしながら溶接し、フォークリフトの本体部分を組み上げる。自社製の無人搬送装置が部材を運び、建物にだれもいない状態でも補給を続けることができる。
 一方、組み立て工程は人の手が頼り。作業員が手仕事で大型モーターやバッテリー、制御機器などを本体に取り付け、それぞれの配線を手際よく結ぶ。
 工場には顧客や地域の子どもたちが見学に訪れる。林久夫執行役員は「いいものを作っていると感じてもらうため工場のショールーム化に取り組んでいる」と話す。設計・開発から製造、検査まで一貫して手がけ、電力消費量が少なく、走りが滑らかなフォークリフトを追究している。仲上皖造常務は「最大の強みは、機械と電気両方の技術を組み合わせる『機電一体』のものづくりにある」と明かす。

研究開発、顧客需要に対応

環境志向の高まりで需要が伸びているバッテリーフォークリフト
 例えば、国内大手で唯一、バッテリーフォークリフトの心臓部にあたるモーターを内製している。モーターはフォークリフト一台に二〜三個使うため全体の動きや品質を左右する。内製でモーター性能を最大限発揮できる機械設計を実現できる。現在のモーターは坂を下る時に制動をかけるための逆回転を利用して電気を作り、充電する。改良を重ねているため、過去五年でバッテリー寿命が三割延びた製品もある。バッテリーフォークリフトは走行時に二酸化炭素を出さないため、近年ガソリンを使うエンジンフォークリフトからの置き換えが進んでいる。国内唯一の専業メーカーとして顧客需要に合わせた研究開発が続く。
<メモ>  1937年開設。広さ約4万5000平方メートル。40年に大阪市から本社が移転した。本社社員を含め従業員約700人。フォークリフトや搬送車などが主力。2005年にISO14001の認証を取得。

【2008年10月20日掲載】