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缶飲料を「最速」生産

コカ・コーラウエストプロダクツ京都工場 京都府久御山町田井
「フィラー」と呼ばれる高速充てん装置。左のベルトコンベヤーで運ばれてきた缶に毎分1600本のペースで飲料を注入していく(京都府久御山町・コカ・コーラウエストプロダクツ京都工場)
 デザインが識別できないほど目にも止まらぬ速さで、缶飲料が次々と回転していく。円形の巨大な充てん機がベルトコンベヤーで次々と運び込まれる缶をつかみ、毎分千六百缶のペースで飲料を注ぎ込む。「スピードは我が社の工場で最速」。工場内にけたたましく響きわたる機械音の中、黒田正雄工場長が誇らしげに語った。
 京都府内の自動販売機で買い求めるコカ・コーラブランド製品の缶飲料はほとんど、この工場で製造されている。敷地面積七万七千平方メートル余りは甲子園二個分で、コカ・コーラグループでも全国有数の規模。二十四時間稼働で日に二百四十万−三百万缶が製造され、京都、大阪、兵庫を中心に近畿から九州まで製品を送り出していく。「夏場は炭酸やスポーツ飲料、冬場は温かいコーヒーが売れるので季節変動は少ない」という。
 生産ラインは七本。コーヒーやお茶の缶、コカ・コーラなどの炭酸飲料やスポーツ飲料のほか、飲食店で使う業務用のシロップなども製造している。

安全管理が第一に

京都工場で製造されている清涼飲料商品
 コカ・コーラを製造・缶詰めするラインでは、おなじみの真っ赤な缶が空の状態で地上四・五メートルまで積まれていた。缶の上下の間にはシートが差し込んでいる。「安全管理が第一。虫などの異物が入り込まないように細心の注意を払っている」(黒田工場長)。虫が嫌うという黄色い透明シートで密閉された空間に運び込んで初めてシートが取られ、缶が次々とベルトコンベヤーに載せられる。
 飲料は水が命。くみ上げた地下水を処理装置で成分調整し、日本コカ・コーラから供給された原液と混ぜる工程をたどる。それでも、地域によっては水によって味わいが微妙に違うのでは、と疑問をぶつけると、同社広報グループの樋田哲也さんは「世界共通の硬度やイオン指数に整えるので、味は一緒」と話す。
 瓶詰めから缶、ペットボトルと時代とともに容器は変わり、機械化も進んだ。「世界どこでも変わらない味、品質を届ける気持ちは同じ。これからもそうあり続けたい」。黒田工場長の笑顔はさすがコーラのようにさわやかだった。
<メモ>  コカ・コーラウエストプロダクツ京都工場 1971年2月に稼働。延べ床面積約4万7千平方メートル。従業員は213人。2003年に節水システムを導入し、冷却水の循環使用などで排水を3分の2に削減した。

【2008年11月17日掲載】