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産業ロボット 多業種に

ユーシン精機 京都市伏見区
自動車バンパー取り出しロボットの動作を調整する従業員(京都市伏見区)
 小さな吸盤やはさみが先端についたアームが縦横に素早く動く。金型からプラスチック成型品を取り出す産業用ロボットだ。顧客の要望通り、決められた動きを寸分の狂いなく作動するかどうか、従業員たちは組み立てたロボットとにらめっこしながら入念に調整する。
 工場での生産は、部品組み立てと動作の最終調整がメーン。外注約二百社から完成部品や資材を調達し、セル生産で製品に組み上げる。
 取り出しロボットは国内で五割近いシェア首位で、世界でもトップを走る。ロボットが扱う分野は多岐にわたる。光ディスクや精密部品、食品容器に加え、近年は乗用車のバンパーなど大型プラスチック製品にも広がっている。ブルーレイディスク製造装置など取り出しロボット以外の特注機も手がける。
 澤田主二郎専務は「強みは、取り出しの精度に加えてスピード」と胸を張る。DVDやブルーレイなどの光ディスクを金型から一枚取り出す所要時間は、わずか0・069秒。開発と改良を積み重ね、この分野では世界シェア五割を超える。
 小谷眞由美社長は「工業製品はみなどこかにプラスチックを使う。だからいろんな分野から受注できる」と話す。その時々の好況業種向けのロボットを作れるため、約三年で売り上げの三分の一に相当する販売分野が入れ替わるという。

コスト削減へ新ロボット開発

2月から販売する取り出しロボットの最新機種
 多様な業種への対応を下支えするのは開発エンジニア九十三人。顧客から新規の発注があると、機械設計、電気系統、動作制御などの各技術者が四、五人でチームを組み、設計から試作、量産対応まで約一年がかりで新機種を生み出す。中でも今期は半導体製造用の特注機を開発し、初年度で売り上げ五億円と好調だ。半導体製造の最終工程で基板の研磨塵を掃除するロボットで、従来は人の手による工程だった。需要減に苦しむ半導体メーカーがコスト削減のために導入している。
 世界同時不況の影響は避けられず、〇九年三月期の売上高は前期比約10%減を見込む。小谷社長は「不況時に製造業は手作業の工程を機械化しようとする。そんな今こそ新たなロボットを開発して、飛躍の力をためたい」と足場固めに迷いはない。
<メモ>  ユーシン精機本社・工場 1973年、東山区で設立、1985年に現在地に本社・工場を移転。述べ床面積約1万3千平方メートル。従業員数276人。2008年3月期の売上高は211億円。これまで当期損益で赤字となったことはない。

【2009年1月19日掲載】