京都新聞TOP > 経済特集アーカイブ > ルポ京滋ものづくり
インデックス

洗浄入念 清潔おしぼり

京都カネヨシ本社工場 京都市山科区
おしぼりを丁寧に包装機に入れていく従業員。ビニールで包装され、ベルトコンベヤーで運ばれていく(京都市山科区西野)
 飲食店に入ると注文の前にそっと差し出されるおしぼり。冬には温かく、夏にはひんやり冷たくて、食事前にほっと一息つかせてくれるありがたいアイテムだ。
 一九六二年の創業以来、おしぼりレンタルの専門業者として京都を中心に滋賀、大阪までサービスを広げてきた。それらの飲食店から回収して本社工場で洗浄する。一日に約三十万枚の洗浄が可能で、仕事の繁忙期は「ほぼ飲食店と一緒で、京都は特に春と秋の観光シーズンがピーク」(久保義高業務部長)という。
 回収したおしぼりには、包装ビニールや食物のごみなどが大量に混ざっている。まず、それらの異物を手作業で除去し、汚れのひどいものも取り去る。選別してさらにかくはん機で回し、異物を完全に取り除く。ベルトコンベヤーに乗せたタオルはそのまま巨大洗濯機に投入。一回三千枚程度を入れることができ、洗剤などを入れて約五十分機械を回す。別の部署では、入れるかごをしっかりと洗浄することも忘れない。

布のよさ 感じて

丸めて袋詰めにしたおしぼり。殺菌や洗浄などさまざまな作業を経てリユースされる
  おしぼりも店名入りやカラー物、大きなサイズなど多種多様で、それぞれ別作業が必要だ。衛生面は最も気を使うところで、殺菌などの作業できれいになった後に二階にコンベヤーで運ばれる。
 そこからが人海戦術だ。ビニールに包む包装機の前に従業員が一人ずつ付き、丁寧に広げて機械に入れていく。機械のローラーを通って自動で折りたたまれたおしぼりが袋に入るまでの時間はわずか数秒。包装し、目視と金属探知器で異物混入を検査した後、出荷場に自動で運ばれていく。
 最近は不景気で新規出店が減少し、業界にも影響が出ているが、介護事業所や葬儀場など異分野への営業拡大も進んでいるという。中塚浩社長(48)は「紙の手ふきと違い、温めることもできて質感が違い、布のよさがある。おしぼりでほっとする感覚を味わってほしい」と話す。
<メモ>  京都カネヨシ本社工場 1972年開設。土地約730平方メートル、3階建て。グループ従業員約230人。おしぼりの洗浄、乾燥、包装を手がける主力工場。他に市内2工場。08年10月期の売上高は15億円。

【2009年4月20日掲載】