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タッチパネル生産の拠点

グンゼ亀岡工場 亀岡市余部町
(上)出荷前のタッチパネルを入念に検査する従業員。製品の品質を左右する重要な工程だ=亀岡市余部町・グンゼ亀岡工場
(下)グンゼのタッチパネルを搭載した液晶モニター

 ゲーム機や携帯電話、パソコンに搭載され、身近な操作機器となったタッチパネル。グンゼは肌着メーカーのイメージが強いが、タッチパネルでも大手の一角を占め、パソコンやビデオカメラの画面、生産機器の操作モニターなどに出荷している。その主力拠点が亀岡工場だ。
 まずパネルの基材となるフィルムに耐久性を高めるコーティングなどを施す。生産子会社エルマ(亀岡市)の樹山茂憲製造第一課長は「フィルムの加工から手がけているのは同業メーカーの中でも当社ぐらい。取引先の要望に応じて特徴を変え、少量多品種生産に対応できるのが強みだ」と胸を張る。
 タッチパネルは透明な電極を施したフィルムとガラスを張り合わせるのが一般的。フィルム同士の組み合わせもある。生産工程でフィルムに電極を形成するスパッタリングは重要で、工場の一角に高さ約3メートルの巨大な箱のスパッタリング装置が5基並ぶ。フィルムが搬入されると、電極となる酸化インジウムの粒子を飛ばして成膜する。
 スパッタリングには役割がもう一つある。光の反射を抑えたり、電極の透明度を高めたりする光学膜の形成だ。画面を見やすくするうえで重要な役割がある。使う材料は企業秘密。樹山課長は「光学膜こそが他社にない特徴をつくり出す。材料選びは特に重要だ」と解説する。
 スパッタリングを終えたフィルムは余分な電極を除去した後、回路パターンを印刷する。ガラスは全自動だが、フィルムはペラペラで機械が取り扱いにくいため、搬送はもっぱら人手。防じん服を着た従業員が表面のごみや傷をチェックしつつ、手早く次の工程へとフィルムを移していく。
 フィルムとガラスを張り合わせた後、偏光フィルムや保護フィルムなどを張り、電極を接続して完成だ。出荷前の外観検査も従業員が担う。波長が変えられる特殊な蛍光灯にタッチパネルをかざし、欠陥がないかくまなく探す。機械化が進んだ今も、最後は人の目が製品の品質を支えている。

<メモ>  グンゼ亀岡工場 1957年にレース刺繍工場として操業。ベビー用肌着の生産を経て、91年からタッチパネルの生産を開始した。敷地面積4万5400平方メートル。従業員数はグンゼとエルマを合わせて338人。

【2009年10月12日掲載】