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最新の検査装置を導入

ヤクルト本社京都工場 宇治市槙島町
100本以上のタンクがあるヤクルト本社京都工場。原料の仕込みから培養、調合、充填、出荷まで一貫した生産システムを採用している

 乳酸菌飲料「ヤクルト」の原料液や、昨年3月に5年ぶりに復活した飲むヨーグルト「ミルミル」など、4種類の商品を製造している。
 ヤクルトやミルミルの製造工程は、最初に粉ミルクを熱水で溶かし、超高温瞬間殺菌機で殺菌。培養タンクで乳酸菌やビフィズス菌で発酵させ、発酵液とシロップ液を調合タンクで混合している。
 京都工場に入ると、100ミリリットル入りのミルミルなら約20万本分が入る高さ約7メートルの調合タンクをはじめ、約110本のタンクがずらりと並んでいる。汚染菌が入っていないか調べる自動微生物検査装置や、商品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌の菌数を数える自動生菌数検査装置を2008〜09年に導入した。人が調べていた従来の検査に比べ、精度は格段に高まった。
 充填(じゅうてん)室では、空気を入れないように液を詰める「液面下充填」が可能な機械によって、ミルミルが次々と詰められていく。1分間に最大800本を充填できる。全数検査を行っており、液漏れの有無やストローの貼り付けのずれなどを一本一本確認している。
 工場内のタンクや配管を洗浄した後に出る排水は、一般的な汚泥処理のほか、約220万個に上るヤクルトの容器を使って工場内で浄化し、排水処理している。排水を浄化する微生物が独特な形をしたヤクルト容器に付着しやすい点を利用した、ユニークな水浄化システムだ。
 京都工場は見学者の受け入れにも積極的で、近隣の小学生に社会科見学の行き先として親しまれている。昨年4〜12月には約2万6千人が見学。うち約2割にあたる約5千人は社会科見学の小学生で、工場の生産システムを学んだ。
 京都工場は、兵庫県三木市に建設中の工場が稼働する13年春に閉鎖が予定されている。京都工場総務課の小野寺正憲係長は「閉鎖まで、お客さまに安全で安心できる商品を届け、地域に愛される工場であり続けたい」と力を込める。

メモ

京都工場で製造しているヤクルトやミルミル
 ヤクルト本社京都工場 1963年に旧京都ヤクルト製造の工場として現在地に完成。73年からヤクルト本社京都工場になる。敷地面積は約1万9千平方メートル。従業員数は約100人。工場見学は予約が必要(無料)。TEL0774(22)8960。

【2011年1月17日掲載】