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半導体製造支える拠点

大日本スクリーン製造・彦根地区事業所 彦根市高宮町
厳重な情報管理のもと、ちり一つないクリーンルーム内で組み立てられる半導体製造装置

 高さ2メートル超の枚葉式洗浄装置。半導体製造の主要工程に使われる装置だ。装置のガラス窓からは、直径30センチの円盤状ウエハーを純水で洗い、特殊なブラシで微細なちりを取り除く工程が見える。そばで従業員が、組み立てた装置が正常に作動しているか見守っている。
 彦根地区事業所は大日本スクリーン製造最大の生産拠点だ。製造装置技術課の北川茂課長は「顧客の半導体メーカーが要求するレシピ(半導体の仕様)とすりあわせて装置を作り込んでいる」と説明する。半導体を作る工程のウエハー洗浄や熱処理、計測、検査など装置の種類は多く、従業員が部品を装置に丁寧に組み込んで仕上げている。
 工場棟内は巨大なクリーンルームで、入るには衣服を上下ともクリーンウエアに着替え、専用のマスク、手袋、靴を着用する。取材にもほこりの出にくい専用のペンとノートが用意されていた。
 FPD(薄型パネルディスプレー)製造装置の主力工場でもある。最新鋭の「第10世代液晶パネル」の製造装置の大きさは全長約60メートルにも及ぶ。志摩泰正FPD機器カンパニー副社長は「第11世代装置も開発を終了したが、需要は大型パネル用よりスマートフォン(多機能携帯電話)向け中小型パネル用が伸びている」と話す。
 工場内では、ベトナムや台湾の現地法人から来た外国人従業員も真剣な表情で製造装置を組み立てている。北川課長は「現地で組み立て、維持管理できるよう人材を育成している」と説明する。製造装置は、まず彦根で完成品として組み立てた後、分割して輸送し、納入先で再度組み立てる。
 2008年に研究開発を担うプロセス技術センターを設置した。半導体やパネルの構造が微細になり、メーカー側も開発段階から量産方法を考える必要があるからだ。「メーカーと共同開発した装置が増え、センター設置後はシェアも上昇した」(マーケティング統轄部)。顧客企業や大学、研究機関がウエハーを持ち込んで研究するなど、ものづくりの先端技術を支える拠点となっている。

メモ

半導体製造の1工程を担う枚葉式洗浄装置SU−3200
 大日本スクリーン製造彦根地区事業所 1963年、ブラウン管部品シャドーマスクの製造工場として操業を開始した。現在は半導体や薄型パネルの製造装置の主要工場。工場前には社名が駅名となった近江鉄道「スクリーン駅」がある。面積14万2千平方メートル。従業員は協力会社を含め2200人。

【2011年6月20日掲載】