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無添加化粧品 清潔が鍵

ファンケル美健滋賀工場 滋賀県日野町
クリーンルーム内のクリーンブースで充填(じゅうてん)作業を行う従業員。安心で安全、優しい商品を顧客に届けるため雑菌やちりがない状態を保つことが大切だ

 ファンケル美健はファンケルグループの生産部門を管理・統括する。滋賀と横浜、千葉の3工場があり、化粧品、医薬部外品、健康食品を生産している。
 滋賀工場は2003年9月に操業開始。生産拠点が関東に集中していたため、リスク分散のために設立された。化粧品だけを製造し、乳液や洗顔パウダー、化粧液などが主力商品だ。扱っているのはファンケル化粧品120種、アテニア化粧品230種で、月に約150万個製造している。
 無添加化粧品を作る際に重要なのは、製造過程で雑菌やちりを持ち込まないこと。製品を作る「クリーンルーム」に入るには、特殊な無塵(むじん)服とマスク、帽子を着用し、アルコール殺菌をしなければならない。毎朝、従業員の健康チェックをし、発熱や下痢、けがの有無を確認する。佐藤直美工場長は「安心・安全・優しさを届けるため、クリーン度の高い環境づくりを徹底している」と話す。
 製造は原料を正確に量ることから始まる。原料一つ一つをバーコードで管理するシステムで数量間違いや取り間違いを防止。原料を製造釜に投入し、温度調整をしながら溶かして均一に混ぜ合わせる。できあがった中身をサンプリング検査。異物混入やにおい、硬さ、使用感を調べる。
 続いて、中身を容器に詰める充填(じゅうてん)作業へ。中身が外気に触れてしまう工程のため、最も注意が必要だ。作業はクリーンルーム内のさらに清潔度の高い「クリーンブース」で行う。「中に入ると一時的に花粉症が治まる」(佐藤工場長)ほどきれいな環境で作業が進められる。
 最新設備で製造しても、最終的に信頼できるのは人間の力。製品は人の目と手で念入りに検査される。包装でも清潔な状態は維持され、従業員が異常がないかを確かめた後、物流センターに送られる。
 工場では環境への取り組みも強化。2月に導入した太陽光発電システムでは、年間で電力約13%、二酸化炭素排出量約7%を減らせる。燃料も重油から液化天然ガスに切り替えて温室効果ガスの削減を進めている。佐藤工場長は「さらに安心安全を追求するため従業員教育を充実させ、環境への配慮も工夫していきたい」と力を込める。

メモ

工場内にはファンケル化粧品など商品も展示されている
 ファンケル美健滋賀工場 東京ドーム2個分の敷地約8万9千平方メートルに、製造棟や管理棟、荷さばき棟などがあり、延べ床面積は計約2万1千平方メートル。従業員は約180人。化粧品の製造工程を見学できる。昨年は約100人が訪れた。TEL0748(53)8910。

【2011年7月18日掲載】