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滋賀経済団体連合会 高田紘一会長

国際化の波に挑戦を
 たかた・こういち 京都大経済学部卒。1962年日銀入り、那覇支店長、考査局長などを歴任。94年、滋賀銀行常勤顧問に就任、副頭取を経て97年頭取。2008年から会長。現在、びわこビジターズビューロー会長、びわ湖ホール会長など。今年の大河ドラマの地元推進団体会長も務める。長浜市出身。71歳。

 2011年の滋賀経済が始動した。景気回復に期待が高まるが、グローバル化や円高など課題は多い。滋賀企業は新たな成長への道をどう切り開くのか。年男でもある滋賀経済団体連合会の高田紘一会長に聞いた。

 −景気は足踏み状態が続いている。企業はこの難局にどう立ち向かうべきか。
 「多くの人は閉塞(へいそく)感が漂っていると言うが、縮み志向になってはならない。中国やインドなどの新興国は元気がいい。大きな潮流としてグローバル化が進展するのは間違いない。この波をとらえ、前向きに挑戦する心構えが必要だ。『うさぎの上り坂』という格言がある。うさぎは前足が短いため下りは苦手だが、上りは強い。企業の得意分野や個性に磨きをかけて、上り坂を登ってほしい」

 −グローバル化が進む中、政府は環太平洋連携協定の交渉参加の検討を始めた。
 「菅直人首相が開国元年にすると言ったのは評価できる。歴史上、国を閉ざして繁栄した国はない。反対意見もあるが、日本が通商国家であることを忘れてはならない。もちろん影響を受ける農業は重要なため、痛み止めの対策をとったうえでビジネスモデルを変える必要がある。規制を見直し、若者が新規就農できるようにしてほしい。湖国は農地が多く、県に思い切った施策を求めたい」

 −滋賀経済の新たな成長に向け、とくに注目する産業分野は。
 「環境ビジネスが楽しみだ。消費者は環境対策を基準に商品やサービスを選ぶ時代になった。どんな企業でもできることはある。滋賀では環境ビジネスの底辺が広がり、中小企業も磁気による加熱装置など画期的な製品を開発している。県は温室効果ガスの排出量を2030年に1990年比で50%減らす目標を掲げている。挑戦するところに夢と未来がある。環境と経済を両立する成功事例を滋賀から発信したい」

 −今年のNHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」は戦国時代の滋賀が舞台で、観光振興に期待が高まる。
 「滋賀の歴史や自然、文化を全国にPRするチャンスが到来した。今年は滋賀の年になる。長浜市の黒壁スクエアにはすでに多くの観光バスが来ていると聞く。この効果を一過性に終わらせないためのイベントやPRに取り組みたい。リピーターを育てる気持ちが大事だ。主役のお江は、戦国の時代の中で自分の信じた道をたくましく生きた。現代にも通じるお江のメッセージを多くの経営者に読み取ってほしい」

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 「新湖国けいざい」は1月から原則として、第2日曜日に経済関係者のインタビュー、第4日曜日には県内経済の動きに関するリポートを掲載します。

【2011.01.09掲載】