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滋賀県商工会連合会長 川瀬重雄さん

地域活性へ中小元気に
 かわせ・しげお 彦根工業高中退。家業の製材業を継ぎ、1956年に川重木材(現川重)を設立、社長に。2001年から会長。経済界活動は、1985年から愛東町商工会(現東近江市愛東商工会)会長、2000年から現職。全国商工会連合会筆頭副会長。東近江市出身。80歳。

 大手企業を中心に業績回復の兆しが見え始める一方、中小・零細企業は受注減や販売不振など厳しい状況が続く。地域経済に明るさは取り戻せるのか。商工会の役割や今後の事業方針を滋賀県商工会連合会の川瀬重雄会長に聞いた。

 −景気の本格回復が遅れている。地域経済の現状をどう見ているか。
 「県内の商工会会員は1999年度に1万9100人だったが、後継者不足による廃業や経営不振などから現在は1万5700人まで減った。まだ底打ちしていない。特に建設や小売業が不況の影響を受けている。公共投資が減り、個人消費も落ち込んでいる。今のところ景気がよくなる要素はない。国の新年度当初予算案と関連法案が3月までに成立しなければ、法人税引き下げの見送りなどによって企業は大きな影響を受ける」

 −地域の再生に向けた対策は。
 「滋賀は県民所得が高く、人口も伸びている。全国的に見ればまだ恵まれている。商工会の会員は家族経営など小規模な事業所が9割以上を占めている。中小・零細企業を元気にすることが地域の活性化につながる。県内の各商工会が経営指導などにさらに力を入れる必要がある」

 −商工会の役割と責任は一段と大きくなっている。
 「ほとんどの小規模事業所は、行政の許認可から税金の申告までどんなこともまず最初に商工会に相談する。『入っていてよかった』と言われる商工会を目指すためには、職員が会員事業所を訪問し、『ご用聞き』をする必要がある。現場に行けば困っていることが分かる。新年度は『新生商工会元年』と位置づけ、商工会法が施行された50年前の原点に戻りたい」

 −県内で商工会の合併が急速に進んでいる。サービスをどう維持するか。
 「県内の商工会は2005年度に46団体あったが、今年4月に大津北、甲賀市、東近江市の3商工会が発足するなどして最終的には20団体前後になる。商工会は本来合併しない方がいいが、自治体の合併が相次ぎ、行政の補助金も減る中で効率的に事業を進めるためには仕方ない。商工会には地域を守る役割があり、巡回訪問を増やしてサービスを落とさないようにする」

 −行政への要望は。
 「中小企業の支援には法律改正が一番重要で、全国商工会連合会としても国への要望活動を強化する。地方財政は厳しいが、例えば地域の物産品を生かした商品開発や販売イベントなどを支援してもらいたい。県は中小企業振興条例を一日も早く制定し、かけ声倒れにならないように有効に利用してほしい」

【2011.03.13掲載】