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滋賀県商工会議所連合会会長 宮崎君武さん

震災での消費低迷懸念
 みやざき・きみたけ 慶応大法学部卒。1963年、住友信託銀行入行。76年、大津板紙入社、常務。専務、副社長を経て86年から社長。2004年、大津商工会議所の会頭就任と同時に現職。現在、大津納税協会会長、県人事委員など。愛媛県出身。71歳。

 東日本大震災の影響が滋賀県の企業にも広がっている。東日本での計画停電や消費不振を背景に国内景気は先行きが見えず、地域経済も厳しい状況が続きそうだ。県商工会議所連合会の宮崎君武会長は消費の落ち込みに懸念を示し、行事などの自粛ムードを払しょくするよう会員企業などに呼びかけている。

 −県内には中小製造業が多い。震災の影響と対策は。
 「震災前と後では別世界で、震災前の見通しは役に立たなくなった。震災直後に実施した県内企業向けのアンケートの結果によると、6割の企業が直接的、間接的に影響があると答えている。資金繰りや資材不足、エネルギー高騰、観光の予約キャンセル、部品調達などの不安が出ている。中でも自粛ムードによる消費の落ち込みを一番心配している。被災地の会議所からも自粛をしないようにと要請を受けている。消費が落ち込むと経済が活性化しない。通常の体制に戻ろうと会員に呼びかけている。県内の商工会議所で東北地方の特産品フェアを企画する動きもあり、県連としても支援したい。各地の物産品を売り歩いていた近江商人の考え方や感性を今こそ生かすべきだ」

 −今後の経済動向が読みにくくなっている。
 「先行きの予想は非常に難しいが、自社で製造販売している段ボール用の紙は荷動きの先行指標になる。3月上旬の販売は前年同期比8%増で、震災後も加工食品など向けが堅調だったが、4月に入ってからはマイナスになった。消費不振や自動車の減産などの影響で電気製品や部品関係が落ち込んでいる。被災地の復興や経済活性化のためにも関西が元気を出さなければならない」

 −会頭を務める大津商工会議所の取り組みは。
 「震災関連では、影響を含めて会員の声を聞き、行政への要望活動を強化したい。相談窓口を拡充する必要もある。会員には東北からの優先雇用や義援金なども求めている。現在の取り組みは震災一色だが、従来の事業にも力を入れる。JR大津駅西口の再開発は中心市街地活性化の大きなチャンスで、浜大津までを結ぶ地域の活性化につなげたい。浜大津は琵琶湖の景色も美しく、活用しなければもったいない。『まちづくり大津』(大津商工会議所も出資する大津市中心市街地活性化基本計画の中核会社)は旧大津公会堂のレストランやなぎさ公園のカフェを開設してきた。今後は情報発信の強化が課題で、地域のイベントや商店街のセールなどを紹介するコミュニティーFMの開局を検討している」

【2011.05.08掲載】