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滋賀県中小企業団体中央会会長 宮川孝昭さん

下請け脱却、強い技術で
 みやがわ・たかあき 彦根西高卒。1963年、仏壇製造販売の永楽屋(彦根市)入社、91年から社長。彦根仏壇事業協同組合理事長として2004年に県中小企業団体中央会副会長就任、07年から会長。現在、県公安委員会委員長など。66歳。彦根市出身。

 −東日本大震災の発生から間もなく4カ月が経過する。県内経済の先行きをどう見るか。
 「震災は県内の中小企業にも大きな影響を及ぼした。製造業は原材料の調達困難に苦しみ、小売業は自粛ムードで販売が減少した。今後は公共事業の予算が被災地に重点配分される見通しで、建設業が影響を受ける可能性がある。一部に景気回復の兆しがあるが、腰折れを心配している。政府の東日本大震災『復興構想会議』は法人税や消費税の引き上げを提言した。議論は当然必要だが、地震や電力不足に増税が重なると企業は国外に出て行くしかない。国内産業が空洞化し、次の不況の波が来るおそれがある。慎重に検討してほしい」

 −7月1日から関西電力の節電要請期間に入った。
 「関電が当初要請していた一律15%の節電には抵抗があった。大企業は対応できるかも知れないが、多くの中小企業はすでに十分な節電に取り組んでいる。売上高が伸びない分、電気代や水道代などを抑えて利益を出しているためだ。これ以上の節電には無理がある。一方で今回の節電要請は、暮らしのあり方を見直すいい機会になる。原発事故を踏まえ、昔ながらの知恵を生かしてエネルギーを大量に消費する生活をあらためるべきではないか。古き良き日本人の精神性を取り戻したい」

 −景気低迷が続く中で、中央会は事業領域を広げている。本年度の活動方針は。
 「中央会は国や県の施策を現場で担っている。近年は経済産業省だけでなく、厚生労働省や農林水産省などの事業まで幅広く手がけるようになった。とくに農商工連携は中小企業にとって新たなチャレンジだ。農業の6次産業化では、支援機関として農水省から関連事業を受託した。京漬物の材料になる野菜など県内には多くの宝物がある。地域資源を生かして滋賀ブランドを生みだし、新しいビジネスにつなげたい。観光客向けの商品やサービスは創意工夫するため相乗効果が出る。滋賀県には琵琶湖があり、環境や観光とのマッチングもおもしろい」

 −経済団体の役割と責任が増している。
 「県内の経済団体と連携し、それぞれの機能を生かして企業の役に立てることを考えたい。中小企業は下請けからの脱却が課題になっている。大手に売り込めるような強い技術を持った中小企業に出てきてほしい。県には小規模な企業にも光をあてる施策、支援を進めていただきたい。今後もしっかりとかじを取り、みなさんに喜んでもらえる中央会にしたい」

【2011.07.10掲載】