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滋賀県信用金庫協会会長 西島喜紹さん

観光、企業誘致に力を
 にしじま・よしつぐ 長浜西高(現長浜北星高)卒。1955年、長浜信用金庫入り。81年、理事就任。常務理事、専務理事を経て98年から理事長。2001年から県信用金庫協会会長。長浜商工会議所副会頭。黒壁監査役。長浜市出身。74歳

 急激な為替の円高や電力不足から国内経済が混迷を深めている。滋賀経済の動向や活性化に向けて取り組むべき対策を県信用金庫協会の西島喜紹会長に聞いた。

 −滋賀経済を支える製造業の現状をどう見るか。
 「サプライチェーン(部品の供給・調達網)の混乱は落ち着いてきた。今一番心配しているのは円高だ。大手企業の想定レートは1ドル=83円ぐらい。税金が高く、電力が不足している悪条件をクリアしなければならない時に円高はしんどい。1ドル=76円水準になると工場が海外に移転する。技術力がある中小企業はいいが、多くの中小企業が大手と一緒に海外に出て行かざるを得なくなる」

 −節電要請も経済活動に影を落としている。
 「原発ができて半世紀もたつのに福島第1原発のような事故が起きたこと自体がおかしい。確かに太陽光や風力の導入を進める必要はあるが、今すぐに原発を止められる状況ではない。早く再開してほしい。節電で生産に影響が出れば海外生産が加速し、間違いなく産業の空洞化が進む。そうなれば雇用にも波及する。このままでは日本経済全体が難しい状況になる」

 −地域経済が疲弊する中で、信金が進むべき道は。
 「2008年秋のリーマン・ショック後、企業の資金需要がぴたりと止まった。中小・零細企業は信金が支えているため倒産は少ないが、自主廃業が多い。預金は集まるが資金需要がないため収益を生む融資が増えない。だが信金は相互扶助精神に基づく非営利組織だ。小さくても健全経営をやれば地域から信頼を得ることができる。理事長に就任した1998年に長浜信金の自己資本比率は11・7%だったが、今年3月期は近畿トップの27・9%。できれば30%まで持っていきたい」

 −夏休みに入り、湖北は観光客でにぎわっている。
 「NHK大河ドラマによる『お江効果』が出ている。来場者は当初、年間で35万人程度とみていたが、すでに70万人を突破した。4月から毎月10万人ペースで推移し、年間100万人を超える期待も出てきた。黒壁を長浜観光のシンボルタワーに、グループ企業と商店街が三位一体となって長浜ファンを増やし、来年につなげたい」

 「滋賀県は、琵琶湖など豊かな自然や歴史を大事にして観光面に力を入れるべき。戦国時代の歴史資産が多く、PRすれば多くの人に来てもらえると思う。県内では第2名神などの道路整備が進んだ。中京と関西、北陸を結ぶ、恵まれた立地条件を生かし、企業誘致もしっかり進めるべきだ」

【2011.08.14掲載】