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県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長 佐藤良治さん

「生命の源」琵琶湖PR
 さとう・よしはる 立命館大卒。1964年、大津市雄琴の「びわ湖花街道」を運営する国華荘に入社。専務を経て87年に社長。2009年から会長。07年から滋賀県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長。びわこビジターズビューロー常務理事。京都市出身。72歳。

 滋賀県の観光産業に期待が高まっている。2009年の観光客は4445万人と2年連続で減少しているが、琵琶湖など豊かな自然環境や多くの文化財を有する滋賀は潜在的な成長力がある。東日本大震災を乗り越え、滋賀の観光業界が進むべき道を県旅館ホテル生活衛生同業組合の佐藤良治理事長に聞いた。

 −県内の旅館とホテルの状況は。
 「震災があったが、京都で宗教行事が相次ぎ、修学旅行も回復したため対前年度で見れば本年度の観光客は増える可能性がある。9月に稼働率が過去最高水準となったホテルもある。当旅館でも震災直後は影響を受けたが、毎月前年実績を上回っている。円高で海外旅行が増えるだろうが、温泉といった国内旅行を支持する高齢者や家族連れは必ずいる。今後は民間委託が始まった高島市ガリバー青少年旅行村の新たな展開などが楽しみ。震災を教訓に人情を大事にする新たな価値観を作り出し、世界に向けて滋賀のホスピタリティー(もてなし)を発信するべきだ」

 −海外からの観光客を増やすためには何が必要か。
 「びわこビジターズビューローの活動で台湾や中国、韓国などから観光客が着実に増えている。課題は京都まで来ている欧米人だ。京都や奈良と同じ魅力を伝えるのではなく、琵琶湖など自然の魅力を打ち出す必要がある。関西広域連合が海外で実施している観光プロモーションは関西が世界から注目を集めるチャンスになる。来年は近江の浅井三姉妹を描いた大河ドラマの再放送が台湾であるため、さらなる伸びが期待できる」

 −琵琶湖の位置づけは。
 「人が多く暮らし、工業や農業も盛んな地域であることを考えれば、琵琶湖はきれいな水を維持している。ここにスポットをあてるべきだ。世界屈指の水環境を誇る琵琶湖はまさに生命の源で、世界中の人々を引きつける。棚田や『かばた』もあり、自然を学ぶ場所としても高い訴求力がある。研究者の大型会議などコンベンション誘致にもつなげることができる」

 −県内の旅館・ホテルの団結力が問われている。
 「消費者に行きたいと思わせるものを発信する必要がある。そのためには行政をあてにするだけではなく、民間が新しい発想で力を合わせて取り組まなければならない。組合では7月に『フェースブック』のセミナーを開き、約40人が参加した。ITを活用してビジネスチャンスを広げたい。組合員の旅館・ホテルは現在約170に上る。みんなでビジョンを共有し、常に前向きに、心を一つにして行動したい」

【2011.11.13掲載】