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京セラ 久芳徹夫社長

太陽電池の増強に力
久芳徹夫社長

 −電子部品市況の回復状況はどうか。
 「昨年は大変な状況から始まったが、四半期ごとに着実に受注が回復し、売り上げ、採算性とも良くなってきた。クリスマス商戦後は少し需要が減ったが大きな落ち込みではない。デジタル機器用部品が良かった2008年度上期の9割ぐらいまで売り上げが回復している。単価が落ちているので数量ベースではさらに増えている」

 −新年の景気動向をどうみるか。
 「一般産業向けの設備投資の本格回復は後半以降になるが、半導体関連部品が戻り始めたのは好材料だ。『二番底』懸念にも景気対策や各業界が懸命に手を打っている。傷跡が残り、急激な上昇は見込めないが、経済全体では回復基調が続くだろう」

 −電子部品関連の業績回復のポイントは。
 「水晶デバイスや、撮像素子用のセラミックパッケージが、携帯電話端末やデジタルカメラ向けで需要が急回復している。今期に計画した全社で560億円の経費削減をすでに前倒しで達成しており、高収益体質に戻った。今後の増産でさらに利益改善が見込める」

 −追い風が吹く太陽光発電の強化策は。
 「政策効果もあって自然エネルギーへの消費者の関心が高まっており、チャンスを生かしたい。野洲市の新工場を春に稼働させ順次設備を増強する。需要拡大の勢いは予想以上で、10年度550メガワット、11年度650メガワットの生産計画は前倒しを含めて見直しを検討する。」
 「この1年は不況と円高で厳しい価格下落があったが、原価低減や生産性向上でコスト低下に努める。発電効率を高めた新製品を投入し、販売網を国内外で引き続き拡充する」

 −次世代型燃料電池の共同開発など環境分野を広げている。
 「発電量が天候に左右される太陽光の弱点を補え、温暖化対策の有効な手段になるだろう。パートナーは燃焼技術のプロで、普及に必要な低コスト化や耐久性向上へ実証実験の成果を期待している」

 新年に景気の本格回復を探りながら「一歩先」へ動く京滋企業トップに戦略を聞く。

【2010年1月14日掲載】