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インデックス

日本電産 永守重信社長

環境車向け開発増員
永守重信社長

 −2010年の景気をどう読むか。
 「1〜3月中心に前半は厳しい状況が続くが、経済全体は良くなっており、後半は楽観視している。家電、自動車など需要を支えてきた景気刺激策の効果が薄れるとの心配も聞こえるが、外需頼みの中、昨秋のような円高の方が企業業績にとって問題が大きい」

 −ハードディスク駆動装置(HDD)用モーターが好調だ。
 「メーカー側では部品不足から在庫水準の低い状態が続いている。小型で低価格のノートパソコン向けが好調で、ウインドウズ7の発売効果も出ている。大容量HDDは薄型テレビへの標準搭載も進み、10年の市場規模は出荷台数で7億台まで拡大するとみて増産計画を立てている」

 −車載モーター事業を積極拡大している。
 「環境意識の高まりで、創業以来の追い風を感じる。高級車を中心にパワーステアリングやクラッチ用などの各種モーターで、従来の油圧式に代えて電動式を採用する動きがどんどん広がっている。小型で燃費が改善し、二酸化炭素(CO2)排出を低減できる高性能品を作っており、ライバルを圧倒できる技術がある。先行投資が大きいが12年度以降は利益に貢献する」

 −滋賀技術開発センターを増強し、開発も加速させている。
 「電気自動車(EV)向けを含め、センターの技術者を12年度末に1500人規模に増やす。EVは、デジタルカメラや薄型テレビなど過去の技術革新の例からみても予想を上回る速さで普及するだろう。(エンジンの代わりとなる)メーンモーターも作り、新興国市場を中心に安価な小型車向けを狙う」

 −今後の業績推移をどう見込むか。
 「不況を機にあらゆるコストを見直し、収益構造を根本から変えた。今期は売上高は75〜80%の戻りだが、イタリアの(家電用モーター大手)ソーレ・モーターズの買収もあって来期は大幅増収を見込んでおり、営業利益は1千億円が視野に入ってきた」

【2010年1月15日掲載】