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インデックス

村田製作所 村田恒夫社長

アジアで生産を拡大
村田恒夫社長

 −電子部品市場の回復は本物か。
 「受注は昨年9月に前年と同水準に戻った。その後は月10〜5%減少しているが、季節要因の範囲内で比較的好調だ。特に薄型テレビや携帯電話向けの引き合いが強い。病み上がりは脱し、ようやく成長に向かう段階にきた。昨年に技術導入した機能性高分子コンデンサーなど新規事業の立ち上げに力を注ぐ」

 −2010年度の業績見通しはどうか。
 「今年の電子部品需要は前年比8・3%増との推計があり、その程度は業績を伸ばしたい。売上高1兆円の目標は潔く取り下げた。もう一度地に足を付けて事業展開し、継続的に2けたの営業利益率を出す企業に戻す」

 −不安要素は。
 「需給が引き締まり大きな単価下落はないが、円相場の高騰が心配だ。対策として中国やタイ、マレーシアに生産拠点を移し、汎用部品のほか電磁波フィルターなどを生産する。これは派遣規制の強化にも対応している。我々の業界は労務の柔軟性が欠かせず、硬直化すれば海外生産を拡大せざるを得ない」

 −温室効果ガス25%削減目標の影響は。
 「工場の省エネ化に努め、二酸化炭素の排出は1990年に比べ原単位(一定単位の製品生産に必要なエネルギー量)換算で40%減ったが、生産規模の拡大で総量は約3倍増えた。今後、無理やり企業に総量削減が課せられると非常に厳しい。中国など海外は除外されるとなると、ますます海外移転に拍車がかかり、国内産業の空洞化を生みかねない」

 −今後力を入れる分野、製品は何か。
 「リチウムイオン電池や変電用のインバーター、コンバーター向け機器だ。リチウムイオン電池は試作段階で、出荷にはまだ2年かかる。携帯端末のハンディーターミナルや電動バイクの搭載を考えている」
 「10年度の設備投資は本年度計画の270億円より増える見通しだが、売上高が落ちているため研究開発費は削減で検討したい。11年春の新卒採用は、今春予定の90人と同規模になるだろう」

【2010年1月21日掲載】