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島津製作所 中本晃社長

環境分野を最重点に
中本晃社長

 −足元の景況をどう見るか。
 「企業の設備投資抑制が続いており、中国を除く国内外で民需の本格回復は来期後半以降だろう。ただ半導体関連市場は昨秋以降、製造分野のターボ分子ポンプなどの受注が回復傾向にある。国の補正予算に伴う官公需もあり、受注をしっかり確保したい」

 −厳しい事業環境をどう乗り越えるか。
 「最重点に強化するのは環境分野だ。3年間で省エネ製品のラインアップを強化し、売り上げを拡大するプロジェクトを始めた。今秋発売に向けて開発中のガスクロマトグラフをはじめ、主要製品の消費電力を従来機種より25%以上削減することを目指す。顧客の投資意欲をかき立てられるよう、環境負荷低減、コスト削減といった価値を提案したい」

 −中国市場の動向は。
 「科学技術の発展のために中国政府が研究開発投資を増やしており、その技術を下支えする分析・計測機器への要求が高まっている。すでに分析・計測機器の売り上げは中国向けが最大となっており、環境や医薬など規制強化に伴って各分野で引き続き高成長が見込める」

 −具体的な対策は。
 「機能を絞り込み、価格を2〜4割下げた競争力の高い機器を投入し、販売数量を増やす。現地で企画から開発、製造まで手掛ける分光高度計などをすでに販売しており、食品中の残留農薬や大気、水質などの分析機器や測定手法を提案し、主要機器の売上高は年2けたの伸び率を目標にする」

 −再生エネルギー分野も強化している。
 「太陽電池の性能向上につながる成膜装置は一時受注が落ちたが、増産に乗り出した国内パネルメーカーからの引き合いが出始めている。国内シェア首位を維持し、海外で増やしたい。リチウムイオン電池や燃料電池でも、安定性や耐久性を高めるために、われわれの分析、評価技術が必要になってくるはずだ。今後の成長市場として電池分野にも力を入れる」

【2010年1月23日掲載】