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ジーエス・ユアサコーポレーション 依田誠社長

EV用 市場リードへ
依田誠社長

 −電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池の工場新増設を相次ぎ打ち出した。
 「昨夏発売の三菱自動車のEV『アイミーブ』向けに、2010年度中に現在の約8倍の年1万6千台分の生産態勢をつくる。京都の本社や合弁のリチウムエナジージャパンの草津市の工場を増強する。多方面から引き合いがあるが現状では生産能力が足りない。栗東市に建設予定の新工場は最大拠点と位置づけ、12年度には稼働させたい」

 −ハイブリッド車(HEV)用を含め、市場急拡大で電池の増産競争となっている。
 「自動車大手や家電、重電メーカーなどの競争相手と比べ、当社の事業規模は小さい。海外に大工場を作って供給する戦略は現実的でない。三菱自やHEVでホンダと合弁しているように、資金面や顧客確保の面からもパートナーを見つけて世界へ展開していく。リチウムイオン電池事業は自動車メーカーとの共同開発の要素が多い。鉛電池で培ってきた経験や知識を強みに、求められる製品の開発で市場をリードしたい」

 −12年度までの設備投資総額が約500億円と重いが、採算確保の見通しは。
 「リチウムイオン電池市場が今のペースで成長すれば、将来的に鉛電池中心の現在の売上高3千億円規模を超すだろう。ただリチウムイオンで利益を確保するのは13年度以降になる。鉛蓄電池で着実に利益をあげて新分野に投資するというスタンスは変わらない」

 −今後の自動車用電池市場をどうみるか。
 「国内の新車用は世界不況で急減したが、買い控えが長期間続くとは思えない。低迷していた補修用も戻ってきた。海外は東南アジア、中国、台湾向けの需要は堅調で、欧州の回復が最も遅れている。米国でも経済刺激効果で売れてくるだろう。下期の業績は全体的に計画通りに推移している。経済全般でみると低迷が続く市場もあるだろうが、われわれの事業でみると底割れの心配はない」

【2010年1月27日掲載】