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インデックス

(6)村田製作所 村田恒夫社長

危機感持ち収益確保
村田恒夫社長

 −デジタル機器向けなど電子部品の需要動向をどう見るか。
 「昨年十月から受注が急減した。顧客が大幅に在庫を圧縮したためだ。実需がどれぐらいあるかは二十六日からの中国旧正月の商戦が終わってからでないと判断できない。ただ、米国や中国など各国の思い切った景気刺激策で、心理的には底打ちするのではないか。早ければ夏、遅くても秋口には市場が立ち直ってくると見ている」

 −国内工場で相次ぎ派遣社員削減を打ち出した。難局を乗り切る戦略は。
 「ここ三年ほど二けた成長を続けてきたためか、景気の流れが変わったという意識が社内に不足していると感じる。もう少し危機感が必要だ。まず肥大化した組織をスリム化したい。付加価値を生まない仕事や無駄な仕事はなくす。業務見直しに加え、人員削減も必要だ。一方で商機は確実にものにするため、セールスエンジニアは強化する。新商品の開発も短期で収益に結びつく分野に注力する」

 −二〇一五年度に売上高一兆円という目標は見直すのか。
 「再考の余地がある。成長と変革を目指す姿勢は変わりないが、数値目標は年度内をめどに見直そうと思う」

 −来年度の設備投資や新卒採用はどうか。
 「新商品のための生産設備は必要だが、増産投資はほぼない。設備投資額は本年度の七百五十億円からかなり減るだろう。新卒採用も絞らざるを得ない。ただ、退職者の補充は必要だし、世代間の断絶も生じさせたくないので、コンスタントな採用は続ける」

 −厳しい状況下でも伸びが期待できる製品分野は。
 「環境とエネルギーだ。〇七年に買収した米国の電源部品事業ではハイパワーの電源製品を手がけていく。新商品では圧電セラミックスの小型ポンプ。携帯機器の燃料電池にメタノールを注入する用途で需要が期待できる。オーストラリアのベンチャー企業とも提携し、カメラのフラッシュ用電源に使う電気二重層コンデンサーを年後半にも製品化したい」

【2009年1月21日掲載】