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(7)島津製作所 服部重彦社長

ブランド力で海外攻勢
服部重彦社長

  −経済環境の変化をどう見るか。
 「通常は景気の波は受けにくい業種だが、今回は直角に落ちた。要因は三つ。消費マインドの冷え込み、金融収縮による企業の資金流出阻止、為替の変動。当社は二つめの金融収縮の改善に期待する。日本企業が抱える資金は膨大で、一年前後でその資金が動き、景気も動き出すはずだ」

 −不況にいかにして立ち向かうのか。
 「スローガンに『自ら変える、自ら変わる』を掲げて、ピンチをチャンスにしたい。海外で徐々に向上してきたブランド力を生かし、製薬、石油化学、環境などの海外トップ企業を攻める。協力会社には一、二年だけの期間限定でコスト削減を求める」

 −主力の計測分析機器事業の戦略は。
 「海外は少しプラスだが国内が下がり、全体でかなり落ちている。設備投資の凍結が相次ぎ、国内売り上げは前年比20%減。米国では不況の震源地ながら伸びている。中国も五年は伸び続けるだろう。当面は中国に注力し、現地開発の低価格機を売り込む。国内はシェア拡大より、従来ない分野に商品提案してすそ野を広げたい」

 −産業機器は半導体関連向けが厳しい。
 「上期までフル生産だったターボ分子ポンプが下期は半減だ。ポンプは半導体製造装置のほか、太陽電池、液晶パネル用にも使われるが、いずれも下がった。需要回復には一年半以上かかる」

 −四割を占める海外売り上げに円高の影響は。
 「期初は一ドル=一〇五円、一ユーロ=一五五円を想定していた。円安の恩恵も受けたのでいまは仕方ない。今後は一ドル=九五円を想定する。海外法人が現地通貨でどれだけ伸びるかを評価し、為替差損は本社がかぶる」

 −組織・人員の見直しもあるのか。
 「雇用はできるだけ確保するが、半導体関連では派遣労働者の削減も検討する。ワークシェアリングは、技術的に他の人が担当しにくい仕事が多く、導入は難しいだろう」

【2009年1月22日掲載】