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(9)堀場製作所 堀場厚社長

環境投資で活路開く
堀場厚社長

 −主力の排ガス測定器の顧客である自動車産業が苦しんでいる。
 「日本と海外で状況は違う。日本では厳しいが、米国は日本ほど厳しくない。欧州はその中間。営業の感触では米国は強気だ。米国の自動車産業は研究投資で競争力強化を目指しており、環境関連の投資に当社製品が入っている。米市場のおかげで成長させてもらったこれまでの感謝の気持ちで、ビッグスリーをサポートする」

 −円高の影響は。
 「売上高の四割が海外向けのため円高のインパクトは大きいが、ドル、ユーロ、円建ての取引が三分の一ずつなので影響は幾分か和らいでいる。まだまだ踏ん張れる」

 −不況を乗り切る鍵は何か。
 「サバイバルゲームに入った。これまでの努力が問われる年になる。キーワードは『継続は力なり』だ。協力会社、顧客を含めた仲間と一緒に難局を打破したい。八百に及ぶ協力会社もコアの約八十社は守っていく。余分な肉は削っても、バッサリ切り捨てることはしない」

 −強化する分野は。
 「半導体関連機器は半減のペースだが、環境計測機器と医用機器への影響は大きくない。両分野に営業・開発部隊を集中させて、他分野の落ち込みを下支えしたい。環境は工業用ガス分析装置、医用は血液分析計でモデルチェンジ機を投入し、積極的に攻勢をかける」

 −景気反転の時期をどう見るか。
 「日本企業は、競争力維持のためにも金融危機から一年以上投資を絞り込むと我慢の限界がくる。六月の株主総会が終わるころから次への投資を始めると期待する」

 −人員・組織を見直すのか。
 「直接雇用の従業員は維持する。今春の新入社員は百人規模になるし、採用なしは絶対にしない。現場のノウハウを途切れさせないのが大事だ。従業員一人一人の士気の高さが競争力の原点になる。ワークシェア的な感覚でどうすればいいか考えたい。給与カットしなくてもいいよう努力する」

【2009年1月24日掲載】