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(11)日本写真印刷 鈴木順也社長

長期成長見据え投資
鈴木順也社長

 −デジタル機器向けの表面転写フィルムの好調が続いてきたが。
 「昨年十月まで忙しい状況だったが、十一月中旬からブレーキがかかった。今後の推移は不透明だ。転写フィルムを供給している携帯電話やパソコンの世界市場はマイナス成長の気配もある。円高もグローバル企業として無視できない水準になっている」

 −逆風にどのように立ち向かうのか。
 「業界全体の流れを追って売り上げを落とすのではなく、シェア拡大を図る。そのためには長期戦略が重要だ。景気が回復した時、業界内での立ち位置が悪かったり、顧客ニーズの変化に気付いていないと波に乗れない。支出を締めることは大切だが、競争力を維持、向上するための研究開発や設備投資、営業については『ここで弱気にならず、むしろアクセルを踏め』と社員に呼び掛けている」

 −パソコン向けなどのプラスチック用転写フィルムの新工場を津市に建設する計画は。
 「市場リーダーとしての地位を盤石にするため、製品供給能力を整える。今のところ変更する予定はない。新工場が手掛ける製品は、長期的にみれば成長が見込まれるからだ。ほかの計画については、優先順位を考えながら進め方を検討する」

 −携帯電話やゲーム機に使われるタッチパネルの動向はどうか。
 「携帯電話で多用されるという流れは続くだろう。タッチ入力という手法は、デジタルカメラなどに拡大している。今後、生活の中でタッチパネルが使われる場面は増えると想定し、用途開発に力を入れる。変化が早い市場なので、ニーズを的確に察知し、素早くサービスや製品に反映させる力も求められる」

 −今年は創業八十周年の節目となる。
 「未来志向は大切だが、前ばかり見ていてもいけない。節目の事業として、本社敷地内にある明治期の旧本社屋を保存改修した。先人が築いた伝統や財産の上に今が成り立つことを社員らに伝えたい」

【2009年1月28日掲載】