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(13)宝ホールディングス 大宮久社長

良質・適正価格で原点に
大宮久社長

 −日本経済の先行きをどう見る。
 「世界的な景気後退や円高で、けん引役の輸出が悪化し、年金問題など消費者の不安も一掃されていない。これらが年内に解決するとは思えないが、歴史的に見ても経済は回復するもの。そのときに備えることが大切だ」

 −食品業界も厳しい一年となるのか。
 「比較的に景気に左右されない業界と言われるが、ギフトや外食などに影響が出てきている。先行きは厳しいが、悲観はしない。酒類事業で多くの銘柄を育て、いろんな売り方ができる力を養い、景気に左右されにくい体質にしてきた。消費者の商品選別の目が厳しくなる中、無駄を省き、ニーズに合った良いものを適正な価格で提供するという経営の原点に立ち返る」

 −具体的には。
 「食品や飲料は種類が多く、開発の余地はないかのようだが、チャンスは必ず見つけられる。例えば、麦焼酎は付加価値の高い商品が自社になく、市場では味と香りがしっかりし、飲みやすいものが少なかった。この点で昨夏に発売した麦焼酎が好調だ。四年がかりで開発し、満を持して投入した。こういう商品はファンが増え、好景気になると大きなチャンスにつながる」

 −米国などで拡大してきた海外事業は。
 「米国経済が大変なことになり、今期の海外売上高はドルベースで前期比1%増と鈍化の見込みだ。だが、日本食は健康的でおいしいと根強い人気があり、景気が回復すれば、再び日本の酒も伸びる。バイオ事業の試薬は、円高で売り上げの目減りや為替差損が出ており、中国工場への生産移管などでコスト削減に努めたい」

 −食の安全を揺るがせる事件が絶えない。
 「食品表示の偽装など消費者を不安に陥れる行為は許されない。メーカーとして製品への不純物混入だけでなく、原材料のチェックも欠かせない。分析する項目が増えており、新たな分析機器を導入して体制を整えつつある。コスト増になるが、信頼確保のために必要な取り組みだ」

=おわり

【2009年1月30日掲載】