京都新聞TOP > 経済特集アーカイブ > 京滋企業トップに聞く
インデックス

京セラ 久芳徹夫社長

高機能携帯で成長を
久芳徹夫社長

 −今年の景況は。
 「2010年度下期に若干受注が伸び悩んだが、春に向けて回復する。スマートフォン(高機能携帯電話)向け部品の比率は予想以上に拡大するのではないか。欧米の金融危機の不安も薄れてきている。11年度はまだ成長できる年になりそうで、増収増益を果たさないといけない」

 −スマートフォンは普通の携帯端末よりも部品点数が多い。
 「水晶関連部品や表面弾性波(SAW)デバイス関連のパッケージが多く使われている。(デジタルカメラ用などと合わせたセラミックパッケージの)10年度の生産量は、前年度比1・5倍が目標で計画通り。11年度も10年度に近い伸びを示すだろう」
 「スマートフォンの端末も第1号機をアメリカで10年度上期に発売した。日本では11年度に携帯電話会社に採用してもらえればと思う。ただ、スマートフォンは機能が似通っている。特徴をいかに出すかがポイントで、採用獲得に向けていろいろな案を考えている」

 −太陽電池は海外メーカーの進出もある。
 「中国メーカーの製品は低価格だが、長期の信頼性、効率性で日本メーカーの製品に利がある。20〜30年の信頼性があまり問われない所では低価格品が買われるが、中国メーカーが席巻するとはみていない」
 「独自販売網のFC(フランチャイズ)店を工務店中心に拡大してきたが、合わせて集客効果の図れるイオンでも出店している。アメリカでもソーラー需要は高まっており、流通網をしっかり持った所と手を組みたい」

 −日本航空支援は。
 「昨年12月、日航役員になった京セラグループ役員は以前から、管財人代理などを務めていた。京セラへのそれ以上の要望は、稲盛和夫名誉会長から一切ない。われわれができるのは日航にできるだけ乗るなど一般的なことだ。資金面の協力要請は正式にはない」

◇       ◇

 景気は本格回復へ向かうのか、腰が折れるのか。先行きが見通せない中、新年が始まった。京滋の企業はどのような成長戦略を描くのか。先を切りひらく決断は、どんな基準や信条をもとに下すのか。トップに聞く。=14回掲載の予定です

決断 「人として正しいか」

 判断基準は、稲盛和夫名誉会長からいつも言われているが「人間として何が正しいか」という一言に尽きる。滋賀野洲事業所(野洲市)内にソニーの液晶ディスプレー部門があり、その部門を昨年6月に買収。
 交渉に当たって、従業員はリストラせず全部引き受けようと考えた。その結果、従業員みんなが頑張ってくれて業績は良くなっている。人に対して、良かれと思うことをすることが、結果的にはわれわれに返ってくる。

【2011年1月8日掲載】