京都新聞TOP > 経済特集アーカイブ > 京滋企業トップに聞く
インデックス

日本電産 永守重信社長

中期目標向け大変革
永守重信社長

 −2011年の目標は。
 「10年は、イタリア家電用モーター大手のソーレモータ、タイのハードディスク駆動装置外枠製造のSCワドー、米電機大手エマソン・エレクトリックのモーター事業を買収した。今年3月には三洋電機の携帯電話振動用モーター事業を買収する。今後は、IT(情報技術)業界を中心にしたビジネスを広げていく」  「IT向けは伸ばさないといけないが、家電・産業用、車載用、カメラシャッターや設備関係などその他の計4本柱とし、15年度に売上高2兆円とする中期経営目標『ビジョン2015』を昨年、作った。11年は目標のスタートの年で、新しいビジネスポートフォリオ(組み合わせ)に向かってグループ全体が大変革をする時期になる」

 −計画達成にエマソンの買収は大きい。
 「技術面、経営面ともしっかりしている。ブランドの信頼度も違う。優良企業が何をしてきたのかを学ぶことが今後、グローバルで成功するために必要だ。特に外国人をどう使っていくのか。彼らは中国やインドに工場を持っているが、アメリカ人はゼロで全部、現地人に任せている。こうしたノウハウを持たないといけない」  「永久磁石を使わないSRモーターについて世界の特許の半分以上を持っている。磁石の値段が上がるほど脚光を浴びてくる。今のところ、トラクターや建設機械用を11年後半から量産していく」

 −伸びる市場は。
 「中国、インド、ブラジル。ブラジルはエマソンの事業を子会社化した日本電産モータ(NMC)が新工場を建て、12年度中盤に操業しようと詰めている。NMCの経営会議で1月中に決める。家電と産業機器が中心で6、7月に着工予定だ」
 「インドでは日本電産が工業園を造り、グループ会社が進出する。土地は調査中だが夏頃に着工し、12年にオープンする予定だ。最初は日系や欧米系、韓国系企業向けの生産が中心となる。現地メーカー向けに拡大するのは15年以降だろう」

決断 「努力は裏切らない」

 努力は人を裏切らない。38年間、経営をしてきて「うまくいったな」と思う事業は努力した自信があるし、「手を抜いたな」と思う事業はうまくいっていない。エマソンは業績がいいだけでない。労働組合はない。従業員は何十年も勤めている。だから欲しかった。10年前に断られてからも1、2年に1回ぐらいずつ申し込んだ。さっと買えた会社なんてない。交渉先も「何年か前に、声を掛けてもらったな。売るなら日本電産に」となる。

【2011年1月11日掲載】