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オムロン 作田久男社長

挑戦意欲湧く組織に
作田久男社長

 −2010年度末を目途とした長期経営構想は最終盤だが。
 「生産性の向上など構造改革は進んだが、次の成長戦略へ踏み出す前段階としては物足りない。グローバル競争を勝ち抜くため、社員一人一人の意欲を高め、チャレンジしたくなる仕組みを作ることが次の課題だ」

 −構造改革の一環として、社会システム事業を今春に分社する。
 「03年にヘルスケア事業を分社したが、『自分たちの事業』という意識が社員に高まり、売上高より利益率を強く意識するようになった。昨年5月には、赤字に苦しんでいた自動車用電子部品事業も分社したが、当初計画の倍ほどの利益が出そうだ。自分たちの強みをしっかり持ち、他社とコラボレーションする重要性が増している。自らの意思で考え、行動する意識を持つためにも分社化メリットは大きい」

 −11年度からスタートする次期の長期経営構想で目指すのは。
 「20年度までの10年間のうち、最初の3年間は真のグローバル化に向けた基礎を築く。既存事業をいかに新興国に浸透させていくかが3年間の大きな役割になる。後の7年間ではより大きな視点で地球を見つめ、ビジネスチャンスをとらえる。軸になるのは『リサイクル・リユース・セーブ』だ。センシング技術を使い、安心、安全、健康、環境といった人の本質的ニーズを満たしていく」

 −20年度までに売上高1兆円超えの目標を掲げたが。
 「営業利益率を13年度に13%、20年度には15%にする。過去最高の営業利益652億円を計上した08年度でも利益率は8・7%だった。無駄を省くだけでは10%が限界で高いハードルだが、後の3%は創造性を高め、知恵を絞ることでクリアしたい。社員の3分の2を占める日本人以外をもっと責任の重い仕事に登用したい。14〜20年度のどこかで1兆円はおのずと見えてくるはずだ」

決断 「自分は何したいか」

 入社して43年になるが、振り返ると、時代に応じてもてはやされるビジネスモデルがあった。その瞬間、注目を集めることはあっても、多くの企業はそのモデルから脱落している。真に社会に必要とされる企業となるには、あまり世の中のトレンドに振り回されてはいけないと思う。
 社長の究極の仕事は社員を幸せにすること。難しい決断であればあるほど「自分自身は何がやりたいのか」に立ち返るようにしている。

【2011年1月12日掲載】