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京都銀行 高崎秀夫頭取

国際人材の育成課題
高崎秀夫頭取
※高崎秀夫頭取の「崎」は山偏に「竒」

 −今年の景況は。
 「前半は良くないだろう。後半にかけては、中国の内需の恩恵で日本経済もなだらかに上向くとみる。2011年3月期は185億の純利益を確保し、さらなる上積みも目指して、4月からの新しい中期経営計画につなげたい」

 −新規出店拡大の狙いは。
 「資金需要は旺盛とは言えない。かといって既存の取引先に対する融資量を増やすと互いに無理が出る。新しい融資先を獲得し量を増やすことが成長の鍵となる。兵庫県では店舗用地を探している。店舗網は点が線になり面になると顧客の利便性が増し、当行に情報も入る。狭い、古い、駐車場がない既存店も改善する。店舗投資はまだまだ続ける」

 −4月には名古屋市に出店する。
 「26年ぶりの再進出だけに絶対成功させる。不退転の決意だ。中部は製造品の出荷額では関東圏、近畿圏より大きく、魅力ある市場だ。店舗がないのは、拡大戦略を取る中で不自然だった。『ながーい、おつきあい。』のコマーシャルを流し、知名度アップに努めている。法人融資が主だが、路面店として個人の預金も獲得する」

 −今後の戦略で何を大切にするか。
 「国際業務を担う人材の育成が喫緊の課題だ。京都の中小企業も戦略的な動きが海外へ向いている。製造拠点だけでなく、非製造業も販路を海外に求めている。今の進出先は中国が中心だが、他にタイ、ベトナムなどがあり、次はインドへと広がっていく。お手伝いができないと、取引がメガバンクに行ってしまう。支店長はアンテナ役となり、顧客のニーズをとらえることが大切だ。そのため支店長全員に中国視察に行ってもらっている。若手も海外業務を希望してほしい。アジアの成長を日本の経済発展に取り込む。パイプもコネクションもある銀行を目指す」

決断 「至誠天に通ず」大切に

 頭取になる前に不良債権の処理や関連会社の処理を長く担当した。処理の判断に時間がかかったり、後回しにするほど傷が大きくなるケースが頻繁にあった。リスクを抱えた中での決断は苦しかった。
 貸金の回収に王道はない。足しげく通い、誠意を示し、相手が根負けするほど愚直に取り組むことで、分かってもらえることがあった。「至誠天に通ず」という言葉を頭取となった今も大切にしている。

【2011年1月13日掲載】