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任天堂 岩田聡社長

「3DS」で反転攻勢
岩田聡社長

 −裸眼で3D(立体)映像を楽しめる携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」を2月26日に発売する。
 「平面で表現できなかった高さと奥行きの違いがはっきり分かり、直感的に操作できる。奥行きが出ることで強調したいおもしろさを強化できる。3月末までに世界で400万台の販売を目指し、うち国内は150万台を考えている。海外は3月に発売する」

 −ゲーム人口の拡大につながるのか。
 「3DSは、初めてまとまった数が一気に普及する3D表示装置だ。ハリウッドの人たちから3D映画を映画館以外で見られる可能性について熱い視線を送られている。発売から間を空けず映画全編を購入して見られるようにしたい。3DSは立体写真も撮れる。3DSで映画を見たり写真を撮る人がゲームで遊ぶようになり、ゲーム人口は拡大する」

 −ゲーム業界で3Dが主流になるのか。
 「携帯型はスクリーンとゲーム機が一体なので全員が3Dを体験できる。一方、家庭のテレビを活用する据え置き型で3Dが主流となるには、3Dテレビの普及が前提となるが、簡単ではない。据え置き型では3Dが他社製品との違いを生む決定的要因になるとはみていない」

 −昨年まで国内ゲーム市場は3年連続で縮小している。
 「一番の要因はハードの販売額が減っていること。安くなり、行き渡って販売の勢いが落ちる。今年、3DSという新しいハードを出せば、ビデオゲームが再び成長に転ずるチャンスは大いにある」

 −携帯電話向けなどの無料ゲームが台頭している。
 「任天堂の業績との因果関係を示すデータはない。しかし、ビデオゲームの価格価値を引き下げる力は働く。ソフトに何千円も出してもらうハードルは上がっている。もともとあらゆる無料の娯楽と戦ってきている。おもろしく、満足できるものを作る努力を続ける」

決断 「不可能なこと可能に」

 世の中の人がしないことをすることに任天堂の価値がある。やりよう次第で可能なことを見つけて力を集中し不可能を可能にしたとき、世間に評価いただける。そんな決断ができるようでありたい。  3Dゲームの開発なら、立体画像ゲーム機「バーチャルボーイ」がうまくいかなければ普通は懲りる。しつこく挑戦して再提案できるのは任天堂らしい。
 開発中の商品の中で、やることとやらないことをより分けるのも私の仕事。やるなと言うのはエネルギーが要る。その目が鈍らないよう精進したい。

【2011年1月14日掲載】