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島津製作所 中本晃社長

中国で機器開発拡大
中本晃社長

 −今年の景況は。
 「国内外で回復してきたものの、日本は円高が続き横ばいとなるのでは。中国、インドは日本より回復し、欧米は回復は緩やかでも安定成長するだろう」

 −中国事業の2けた成長が続く。
 「中国では薬、石油化学、材料試験などあらゆる分野が成長しており、こんな国は他にない。従来は欧米中心だったが、これからは中国に軸足を置く。薬品に関する法律が大幅改正され製薬の試験項目が増えるため、分光光度計の需要は急増するだろう」

 −中国で分析機器の開発を進めている。
 「中国で昨年開発した普及機は初年度販売目標の7割を達成しているが、現地調達部品の品質のばらつきを改善中だ。1月に開設した中国開発センターで性能がやや高い中級機も開発する。需要の中心は中級機へ移り、競合する中国メーカーも中級機に力を入れているからだ。高級機を現地開発する考えはない。135年の開発ノウハウを生かして日本で開発を続ける」

 −日本市場をどうみる。
 「日本の需要は伸びないがなくならない。日本の競争力が低下したとの見方もあるが、日本の科学技術は非常に成熟している。素材や医薬品などは強みを持ち続けるだろう。そうした分野の分析機器で力を発揮できるとみている。製薬メーカーへさらに食い込み、シェア拡大を図る」

 −インド、南米への販売拡張は。
 「インドでは製薬分野の分析機器でシェアが高い。インドには米国の下請け工場が多く、ライバルは米メーカーだ。現地需要をくんで営業とサービスに注力する。ブラジルでは官公需に強いが、民需掘り起こしへ営業を強化する」

 −ターボ分子ポンプが好調だ。
 「主に半導体向けが今年度に急回復し、ピーク時以上の受注を得ている。3月までは好調が続くだろうが、それ以降は不透明だ」

決断 「成長するか」熟慮

 決断に際して常に考えるのは「これで会社が成長するか」。提携や人員、投資のいずれでもだ。約10年前の事業部長時代に米国でソフト開発子会社を設立したが、うまくいかなかった。結局、その会社をつぶして開発コストが安い英国子会社での開発に切り替えて成功した。現状把握に時間がかかり悩んだが、結果的には良かった。
 決断は焦っても駄目だ。成長につながるか考える時間を取るのが大事。見通しとリスクが分かれば思い切って決められる。

【2011年1月19日掲載】